case 49 ー玲於 sideー ページ49
ー玲於 sideー
ー一週間前ー
「Aさん、イギリスから帰って来るって！
玲於、知ってた？」
亜嵐くんが息を切らしながらトレーニングルームに入って来て、ストレッチをしていた動きが止まる。
懐かしい名前…
なのに、心臓はドクンと音を立てて反応する。
二年前と同じように…
「いつ？」
「詳しくは分かんないけど…」
亜嵐くんもさっきチラッと聞いたみたいで、すぐ俺に知らせる為に走って来てくれた。
「希美さんなら分かるんじゃない？」って亜嵐くんの言葉を聞いて、すぐに1階の受付の方に向かった。
「水川さん！」
ちょうどエレベーターを降りると水川さんは帰ろうとしていた所で、呼び止めて駆け寄る。
「…Aの事、だよね？」
少し乱れた息を整えて口に出す前に、水川さんの方が察してくれる。
「帰って来るって本当ですか？！」
「…帰っては来るけど…」
「いつですか？！」
「…それを聞いて…玲於くんはどうするの？」
「…え」
自然と体が動いてここまで来たけど、
具体的にどうするかなんて考えてなくて
戸惑う俺を見て、水川さんは言いにくそうに口を開く。
「…Aは、まだ玲於くんの事を好きだと思う。
でも、もう会う気はないって言ってた。
だから…
中途半端な気持ちなら、Aの為にも会わないで欲しい」
水川さんが俺の瞳を見据えて言い切る。
本当にAの事を心配しているのが分かる。
「俺は…」
今の想いを正直に話す。
この二年
Aの事、忘れたことなんてない。
A以上の人なんて
今も、この先も考えられない…
もう、後悔だけはしたくないんだ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです！ありがとうございます！！ (2016年10月20日 19時) (
レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました！最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです（笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - ｍｉｌｋさん» 感想嬉しいです！最後まで読んで頂いてありがとうございました！！ (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
ｍｉｌｋ - めっちゃ感動しました！！面白かったです！ (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです！感想嬉しかったです☆ありがとうございます！ (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あず
| 作成日時：2015年4月25日 8時
