My Only Love ーReo.Sー

case 43 ー玲於 sideー ページ43

ー玲於 sideー


結局2人でゆっくり会えたのはそれから更に一ヶ月後で。

ツアーも終わって少しずつ時間が取れるようになって、ほったらかしにしてたお詫びの意味で外で食事しようって誘ったけど、落ち着かないからってAの家で食事することになった。




「ごちそうさまです」

Aの作ってくれた料理を食べ終え、手を合わせる。


Aは後片付けをした後

いつものように俺がソファに座って待っていたら、ミルクティーを淹れて持ってきてくれる。

その後、いつもならソファの俺の隣に座るのに

今日は机の向かい側に腰を下ろした。






『玲於…？』


Aが正座して、かしこまったように姿勢を正すから

俺も背筋を伸ばして、聞く姿勢を示す。




なんだろ



いつもと違うAの行動に緊張感が走り

ごくんと、唾を呑み込む。



そんな俺を見て

Aはゆっくりと、口を開いた。








『私、イギリスに行こうと思ってる』






突然のAの言葉。






「旅行…じゃないよね？」


『イギリスのワーキングホリデーの資格が取れたの。

英語に関わる仕事がしたくて、もっと世界を見てみたくて、実は今年の初めに申請して、取れてからずっと悩んでた』

最初は軽い気持ちでダメ元で応募したって。


そんな前から悩んでたのに

俺は、全然気づいていなかったんだ…




初めて聞くAの話ばかりで

頭の中は混乱していて、整理する事に必死だった。



「いつから行くの？」
『2ヶ月後』

「どのぐらい…？」
『とりあえず就労VISAの間2年…』


2年ならまだそんな長くないって

寂しいけど、Aの夢の為なら待てそうって


ちょっとだけ安心する。





俺待ってるよ…って言おうとするより先に



Aの唇が動く。

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