My Only Love ーReo.Sー

case 37 ページ37

それからの玲於は、今まで以上に仕事に対してストイックになった。

ツアーリハや新曲の振付を考えたり、撮影、他イベントとか去年よりも格段に忙しくなっているのに、トレーニングの時間を減らしたりもしないで。

逆に1人で練習する時間を増やす程で

必然的に会う時間も減っていく訳で、
毎日何かしらあった連絡も、最近途切れがちになっていった。

私はそれが気になってるくせに、直接玲於には何も言えず

明らかに減ったのは、あの日話してからで


玲於が焦って無理してるようにも見えるのに

なんて言葉をかけていいか分からなかった。




受付前のガラスの自動扉が開いて、久しぶりに玲於の顔を見る。



『おはようございます。』

「…はよっす…」

2nd アルバムのキャンペーンで、玲於は一週間地方を周っていた。

連絡なくても事務所では顔を見れたけど、
この一週間それもなくて

“忙しかった？”とか軽く聞けばいいのに、それさえも出来なくて

何となく2人の間に気まずい空気が流れ、


玲於はそのまま足早に去って行った。





「付き合う期間が長くなってきたら連絡とか減ってくるもんだし、気にしなくていいんじゃない？」

希美が明るく言ってくれる。


『そうなんだけど…』

玲於が頑張っているのは分かっているのに、ちょっとぐらい連絡くれても…って自分も居たり


飲み込んだ言葉たちが、余計不安を大きくしているのに


何も出来ない自分がいた。

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