case 26 ページ26
「…こんな本読んでるの?」
玲於が枕元にある栄養学の本を見つけて手に取る。
寝る前に読んでいてそのまま眠ってしまったみたい。
『うん。玲於今体作ってるし、お弁当とか、ちゃんと栄養バランス考えた方がいいかなって』
「へぇ」
パラパラと本を捲りながら、口元は嬉しそうに緩んでいて
『読んでる内に寝てたら意味ないね』
「あは、確かに」
玲於が喜んでくれているのが伝わってきて、私も嬉しくなってくる。
『なんて、自分の為でもあるんだけど』
身体を起こしてうつ伏せになって、玲於と一緒に本を覗き込む。
「自分の為って?」
『色々…ダイエットとか?』
そんな太ってる方ではないけど、玲於だけいい体になってるのに…やっぱね。
「え?どこ気になってんの?」
玲於の手が私の脇腹に伸びてくる。
『…どこでもいいじゃん』
そこ、ピンポイントだから。
少し身をよじりながらお腹にぎゅっと力を込める。
「…ホントだ」
え?
やっぱ出てるかな。
人に言われるとショックなんだけど…
『…がんばります』
「うそ。別にそのままでいいじゃん」
『もういいよ』
玲於の手を払って、ぷいっと背中を向けて横向きに寝転がる。
それでも後ろから私を抱きしめ、また私の腰に伸びてくる玲於の手。
段々いやらしく指が腰をなぞり始めて
ピクッと身体が小さく反応する。
『…痩せるまでしないから』
身を縮こませてずらしながら、少し玲於から離れる。
「…俺、Aの柔らかいトコ好きだよ」
玲於の気配が近づいたかと思うと、耳元に熱い息がかかってドキッとして真っ赤になりながら
顔だけ振り返って玲於を軽く睨む。
『…フォローになってないし』
意地悪な顔…
そのまま仰向けにされて、玲於が覆い被さってきて
「いいよ。別にAがぷよぷよでも」
顔が近づいてそっと唇が重なる。
『そこまで太ってない』
「そだっけ?」
『もうっ』
2人で顔を見合わせて笑い合う。
私も、玲於がぷよぷよになっても好きだな…
そんな事をふと考える。
まあ、絶対ないだろうけど。
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あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです!ありがとうございます!! (2016年10月20日 19時) (レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました!最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです(笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - milkさん» 感想嬉しいです!最後まで読んで頂いてありがとうございました!! (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
milk - めっちゃ感動しました!!面白かったです! (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです!感想嬉しかったです☆ありがとうございます! (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あず | 作成日時:2015年4月25日 8時