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★ ー YOU side ー ページ16

彼女と別れてから亜嵐はよくお店に来るようになった。

決まって、玲於くんを連れて…


今日も2人で来て、カウンター席に座る。



『この後…飲みに行く?』


私の仕事ももう終わるし、まだまだ飲み足らなそうな亜嵐を勇気を出して誘ってみた。



亜「そうだな、玲於も行くか?」


玲「俺明日早いし、今日はごめん…」



亜「じゃあ…またにしよっか」


明日は大事な仕事がある玲於くん。

じゃあ無理だなって、当たり前のように亜嵐は私を見る。



『私は…大丈夫だよ?』


何で二人はダメなの?



亜「んー?A一人じゃ介抱出来ないだろ?」



ずっと引っかかっていた事を思い切って聞いてみたのに、軽く笑って返されて…


こないだのイベントといい

明らかに取られている距離。


私の気持ちに気付いてる?


考えないようにしてた答えが出た気がして


恥ずかしさや、もどかしさや、苦しみ…


色んな想いが込み上げてくる。


彼女と別れたからって…

私を好きになる訳じゃない。



バカみたい。


分かっていたくせに。



何、まだ期待してたの?









亜「帰るわ…」

『大丈夫なの?』


亜「ん…多分…」


チェックを済ませて、カバンを肩にかける亜嵐。

この後、一人でも飲みに行きそうな雰囲気。


私は…

こんな時も、慰めてあげる事も


側に居る事さえも…出来ない。






『玲於くんはどうする?』


亜嵐を見送って、玲於くんに笑顔を向ける。



「…もう一杯飲んで行こっかな」


『明日大丈夫なのー?』


早いって言ってた割に、もう結構な時間。

亜嵐も飲み過ぎだよねーなんて口にしながら、亜嵐の去ったテーブルを片付ける。








「何で笑ってるの?」


何で、そういう事を言うかな…

テーブルを拭いていた手が止まる。


泣いちゃダメ、泣いちゃダメって

必死な思いを隠すように、無理に作った笑顔。


玲於くんには、いつも見抜かれる。




『…っ』


そんな、見透かさないでよ。


我慢していたモノが、ぽろぽろと溢れてくる。




それでも笑おうとしても

一度壊れてしまった涙の結界は、簡単には戻らない。




『ごめん…』


戸惑う玲於くんにそれだけ言って、お店の奥に引っ込む。



好きなの…



好き


好き


好き…



想いと一緒に、溢れる涙。



彼女の存在なんて関係ない。


どんなに好きでも

亜嵐が私を好きになる事なんてない。


絶対、ないんだ…。

★→←★ ー YOU side ー



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りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月1日 2時) (レス) id: 23700234a2 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月25日 1時) (レス) id: ad058fd0f4 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月22日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - あずさん» いえいえ(*^-^*)そうなんですね(*^-^*)頑張って下さい(*^-^*) (2021年1月19日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!せめて全員描きたい…頑張ります(*^^*) (2021年1月18日 20時) (レス) id: 26814e9a22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2018年7月6日 1時

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