知り合い(仮) . (ページ28)

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「大丈夫！？Aさんと男の人の会話、電話越しにちゃかと聞いてたんだけど、どこかよくわからなくて…。ごめんね。」

松倉さんがすごく心配してくれた。

『大丈夫です。お疲れなのにすみません。私、1人で…』

「今のAさんのこと1人になんてできない。とりあえず乗って？」

元太くんにもそう言われて、私は車に乗った。

車の中では、私が暗い気持ちにならないようにいろんな話をしてくれた。

「そういえば、Aさん俺らのライブ来てくれるらしいよ。」

突然助手席にいた宮近さんがそう言った。

「えっ、まじ？誰担？」

松倉さんが楽しそうに私に聞いた。

「俺。」

『え、宮近さんじゃないです。』

「知ってるわ(笑)まあライブでのお楽しみってことで。」

良かった、言われちゃうかと思った。

宮近さんって意外と優しいところあるんだな。私が感心してると

「ねえ、今度から俺のことも頼って？」

隣で元太くんがQRコードを開いて、私に登録しろと合図してくる。

『いや、さすがに…』

「ちゃかちゃんのは登録してるのに？」

って拗ねてる元太くんが可愛い。

『宮近さんは昔からの知り合いですから。』

私の口から勝手に出た言葉に自分でも驚く。

「じゃー俺は友達ってことで！」

そんなことはお構いなしに元太くんは私の携帯を取って勝手に登録した。

『お友達として、よろしくお願いします(笑)』

「Aさんはなんかあだ名とかある？」

『急にどうしたんですか？』

「年も近いし、敬語でさん呼びとかなんか遠くない？」

『そうですか？私の方が年下ですし…』

「あ！A！今度からAって呼びます！」

『突然ですね(笑)わかりました。』

「もう敬語もなし！普段俺のことなんて呼んでるの？」

『わかり…あ、わかった。んー元太くん、かな？』

「ならそれで。俺はAって呼ぶね〜」

ほんとにコミュ力おばけだ。そりゃ友達も多いはずだ。

「元太とAさんお取り込み中のとこ悪いけど、ついたよ」

宮近さんに言われてやっと自分の家についたことを知った。

『すみません。わざわざ、ありがとうございました。』

「Aさんまたね〜」

「A、今日はちゃんと休んでね？」

『ありがとう』

「俺、家近いから部屋入ったの見届けてから歩いて帰るわ。」

宮近さんの言葉に少し安心した。