知り合い(仮) . (ページ13)

今日:21 hit、昨日:54 hit、合計:117,720 hit

ヤケ酒ページ13

・

「Aちゃん、バイト先探してるの？うちで働いてみない？」

私の知り合いのアクセサリーショップの店長さんが声をかけてくれた。

『この間バイトの面接受けたんですけど、落ちちゃって。ほんとですか？ぜひ働きたいです！』

私のお母さんの知り合いで、確か私と同じ歳の娘さんがいたはず。

「Aちゃんがよければの話だけどね〜？うちの娘はアイドルに夢中で働いてくれないから。」

最近アイドルが結構私の身近にあったことに驚く。

『私も最近好きになって、そのためにも頑張ろうと思ってます。(笑)』

「なら私の娘とも気が合うかしらね〜(笑)」

そして私は、約1ヶ月ぶりにバイトをすることが決まった。

￣

新しいバイト先はとても楽しくて、

大好きなアクセサリーに囲まれる時間は幸せ

「もう今日は帰っていいよ〜」

今日はいつもよりバイトが終わる時間が早かった。

外に出ると雨が降ってて、自分が雨女なことを恨む。

「あ、A？」

そして自分の運が悪いことも恨む。

『久しぶり。彼女さんとはどう？』

「今喧嘩中なんだよね。」

私の元カレの女癖の悪さは直ってないみたい。

「ちょっと飲み行かない？ヤケ酒、付き合ってよ。」

『なんであなたと私が飲まなきゃいけないの。』

「お願い、一杯だけ。いいお店見つけたからさ。」

私も嫌なことがあった時に一人でヤケ酒して虚しくなったから、一杯だけ付き合ってあげよう。

『一杯だけね。あ、もちろん奢りで。』

「わかってるよ(笑)行こうぜ。」

私はこの雰囲気が心地よかったんだ、そう思った。

「着いたよ。隠れた名店っぽいでしょここ。」

到着した先は、まさかの私の元バイト先

『私前にここでバイトしてた。』

何も隠さず言えるのも楽でよかった。

「あーそっか。なら違うとこがいい？」

『ううん。せっかくだからここにしよ。』

こうやって気を遣ってくれるとこも、好きだった。

「すいません。生ビール２つ。」

『あ、あとだし巻きを１つ、お願いします。』

私がこのお店で一番好きなだし巻き。

「え、だし巻き？」

『そう、私のおすすめ。』

「えー俺だし巻きめっちゃ好きだよ。」

あー思い出した。この人のいいところ。

ビールが届いて、とりあえず乾杯した。