【名前固定オリジナル】アカツノ【男主】

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サリーはスパークの方へ帰ってくると、後ろにいるガルバンがサファイアに何かを告げている。しかし距離が遠いため、何と言っているのかは分からない。




サリーとスパークの２人は木でできた真新しい階段を下りて、犯行現場を眺める。床も木で出来ており、かなり荒らされていた。床にはボンドや埃が落ちていたり、上の舞台につながっている近くの天井の柱が壊されていたり。


「だが、なぜ天井が壊れているのかは分からないね。ボンドには犯人が踏んだと思われる跡がくっきりと残っているのだが……」


サリーは天井を見上げながら顎に右手を置く。どうやらいろいろと考えているようで、眉をゆがませているように見えた。


そんな時に誰かの声が耳に入る。スパークが振り返ると、そこには背の低い白ひげのおじいさんが立っていた。なにかを言いたそうな顔をしている。


「どうされましたか？ ここは関係者以外立ち入り禁止ですよ」

「お主じゃって関係者以外だろ？ わしはここを管理しとる者じゃ」


白ひげのおじいさんもサリーと同じ場所を見上げると、目が飛び出るくらい大きく見開き口をあんぐりと開けている。


「なんと……ここにあった柱が壊されてるだと！？ ここには天井に垂れ下がってくくり付けられていた丸太があったはずじゃのに、誰が燃やしたんだ？」

「なぜ燃やされたと思ったのですか？ 何か根拠は？ マッチとかも落ちてませんけど」


サリーが天井から目線をおじいさんに変えて、表情を全く変えずに尋ねる。するとおじいさんは床を見て腰を下ろし、黒い粉を触っている。その粉に紛れて木の欠片も落ちていることから、犯人がこの天井についていた飾り柱を壊したのだろうと推測できる。


「１時間前にはあったんだがね……修理しないとだめかもしれんな」

「なるほど……ありがとうございます。とても参考になりました」


管理人さんはぺこりとお辞儀すると、近くにあった洗面台を見て不意に動きを止めた。その洗面台はカーテンやら背景やらを変えるための場所に入る隣にあるのだが、それが水浸しだったのだ。しかも床には頭が一つだけはいいりそうな穴が開いている。


「これは……どういうことじゃ」

「恐らく犯人がやらかしたんだと思いますが、かなり焦っていたのでそのまま放置した……か……なんだか違和感を感じますね。急いでいた理由は何でしょうか……見つかるのが怖かっただけなのかしら……」

▽→←５章　幽霊離脱と残された証拠

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