４章 澄んだ声 ページ21
「ちょっと待ってよ！」
会場から出て来客者たちの間を通り、ヴァルサはデニーを追いかけている。身長が周りの人より高いため、すぐに場所が把握できる。来客者たちは何やらひそひそ声で話しているのだが、その内容は全く分からない。
来客者を抜けて細い廊下を通り、左にぽっかりと大きな穴が開いている。人１人が入れるくらいのスペースだ。
「ホテル入り口」と書かれてあるゲートの真ん中で、ヴァルサは彼の右手をつかむ。しかしデニーはその手を振り払い、木でできた廊下を進もうとしている。
「待って！ まだスパ君が会場にいるのよ。なんで彼を待とうとしないの？ あなたの友達でしょ？ だから＿＿」
「友達？ 僕は友達なんて必要ないんですよ。むしろ１人の方が好きだから。それに僕はスパークが嫌いです。だって僕のことを裏切ったから……本当に許せません」
ヴァルサの言葉を遮るかのようにデニーがこう言い放つと、彼は立ち止まってヴァルサに大きな背を向ける。恐らく表情を見られるのが怖いのだろう。
「でもあの時は犯人を潰すためにやった行動よ。生きるために彼はあの手段をとったから……裏切ったわけじゃないの。デニー、彼が謝ればまた一緒に生きられるかな？ 友達として」
デニーはその言葉を聞いた後、上を見上げて何かを考え始めた。そして彼は考えがまとまったようで、こんなことを言う。その言葉にヴァルサの背中はブルリと震えた。
「彼はもう生きられないと思います。だからあなたは１人で生きることになるでしょう。永遠に」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品が参加のイベント ( イベント作成 )
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まりもさんだぞっ(｀・ω・´)まり - いえいえ、これからも更新頑張って下さいねー (2018年5月24日 17時) (
レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空＠写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(｀・ω・´)まりさん» なるほど……。その手がありましたか！ 例も書いてくださりありがとうございます！ (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空＠写真は載せられない(プロフ) - まりもさんだぞっ(｀・ω・´)まりさん» 的確なアドバイスありがとうございます！ キャラのセリフを感情的に書く……ですか……。一番苦手にしていることですが、ちょっとずつ改変していきたいと思います。更新頑張りたいと思いました！ (2018年5月24日 17時) (レス) id: 437d7e5db9 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(｀・ω・´)まり - 例えば、キャラのセリフの前に舌打ちを入れて見るなど...(例)「ﾁｯ、だからああだと言っておったではないか!」露骨に舌打ちを決め、怒りを表す○○。...みたいな感じですかねー (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
まりもさんだぞっ(｀・ω・´)まり - ちょっと遅くなりましたが、読ませて頂きました!内容 10点満点! 文 9点 惜しいぃー! 私が思うには、キャラのセリフをもうちょっと、感情的に、細い表現を入れるなどしてみたらどうですかね? (2018年5月24日 17時) (レス) id: ec47b1a578 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
