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禪院家に呼ばれている。


そう母親伝いで聞いた。正直言って私は禪院家があんまり好きじゃない。特定の誰が嫌いとか皆が嫌いなわけじゃないけれど、術式で人を判断するところとか…甚爾さんの事とか。


『行きたくないなぁ……』


何故か涙が出始めてしまう、
そんなに嫌なら行かなければいいのに、と他の人からは言われてしまうのだろうけれど、芥家にとって禪院家との繋がりは大切。
私が勝手な真似をして家が孤立するのは避けたいのだ。

すると左横から涙が拭われる。ここは自分の部屋、誰かなんて一人しか居ない。


『甚爾さん、呼んでない時出てきたらダメだって』


彼は表情を変えずに、自分の右手を私の頭の横に持ってきてグイッと自分の方によせ、そのまま頭を撫で始めた。きっと彼なりの気遣いなのだろう。
本当なら勝手に出てきたこともっと怒らないといけないんだろうけれど、やはり甘えてしまう。


『甚爾さん……』


そのまま目を閉じ少し休ませてもらうことにした、すぐに禪院家に行かなくてもいいし、今は少し休みたい。
__________________


___悪いな


__________________
ドンドンと、部屋のドアを叩く音が聞こえる、あのまま寝てしまったらしい。甚爾は私の横に居たままだった。『ごめん』と一言言い、部屋の戸を開いた。


『夏油…どうしたの?』

「いや、晩御飯食べてないだろう?
少し心配に……ソイツ、何故出ているんだい」

『え?…ゥッ』


甚爾さんが私に伸し掛るように後ろからこちらに体重をかけてきている、これは生前の彼にも良くされていたから慣れているけれど、こう人に見られるのは恥ずかしい。


『甚爾さん、離れて。今、話してるでしょ。』

「う゛」

『う、じゃない。私晩御飯食べるから、戻って』

「……ソレ私が取り込もうか?
A不便だろう。それに、他人に取り憑かれるなんて」


目の前の夏油は何か気に食わない、という表情をしている。まぁ、理子ちゃんを殺した男なんだから仕方ないか……。すると甚爾さんは離れてこっちをじっと見つめてくる。


……もしかして、私が夏油に返事するのを待っている?


『夏油ありがとう、でも、大丈夫。
私家の関係で甚爾さんの事知ってたから、全く他人ってわけじゃないの。』

「!…そうかい、悪い事を言ったね」

『夏油なりの心配でしょ?
ありがと』


甚爾さんには戻ってもらい、夏油と食堂まで向かった。

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七巳流 - 答えられないのだが、パスワード教えてくれ。 (2022年7月16日 12時) (レス) @page33 id: 5347ef430e (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 完結おめでとうございます。素敵な小説でした。次の作品「10譛?1譌・19譎よク玖ーキ-繝上Ο繧ヲ繧」繝ウ」のパスワードを教えてください。 (2021年7月14日 7時) (レス) id: be99c0bfdf (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 完結の後話も甚爾さんと夢主さん絡みの事なのでしょか? 見れないですもっともっと出来れば二人の事見ていたいです (2021年7月13日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
つばめ - 悲しい所もあるけど甚爾さん達の所もっともっと続きが見たい甚爾さんと五条さん絡みも (2021年4月29日 1時) (レス) id: e61b67cd9c (このIDを非表示/違反報告)
杜若(プロフ) - マリアさん» コメントありがとうございます!甚爾さんの話書きたすぎてこじれた結果がこの作品です……のんびりゆっくり更新しますので気長に待ってもらえれば嬉しいです…… (2021年4月4日 12時) (レス) id: 06c98d5373 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杜若 | 作成日時:2021年4月3日 9時

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