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試合はギリギリ、というところ。

決して弱くはないが……武器がなければ逆転は厳しいだろう。まだ入部して少しだが、ここまで黒子がいるといないの違いがわかるとは。相田先輩も現状にどうにかしなければとかんがえているようだ。


「…大牟田さん、大牟田さんは何か思い浮かばない?」

『…そうですね、多分考えてる事は相田先輩と同じです』

「だよねぇ…やっぱり、黒子君が居てくれたら…」


藁にもすがる思いだったのだろうか、私に聞いてもいい返答なんてないのだから。

なんて考えていると、後ろの方で動く音て声がする。
そちらを見ると黒子が体を起こし、「行ってきます」と言い立ち上がった。フラフラとした足取りで歩き出すため、相田先輩が黒子の前にまわり止めている。


「ボクなら戦況を変えられるならお願いします。
…それに、約束しました、火神君の影になると」


…… いつの間にそんなに仲良くなってるんだ?……あ、そういえば、同じクラスだって聞いたし……まぁ、そういうこともあるか…


黒子の復帰によって誠凛の攻撃は上手く回るようになり、そして、


『同点…だけど』


涼太の様子が、…やっと本気を出すってところか。同点に追いつかれて、追い込まれてるんだろう。彼は試合で負けたことが無いのだから。


『また点取り合戦が始まりますよコレ』

「えぇ…緊張した空気が漂ってるわ」


点を取られ点を取ってを繰り返している、中の選手だけでなく、ベンチにいる人間は勿論相田先輩だって、立ち上がり声を出し指示をしている。

ここまで熱くなっている試合も久しぶりだ、私も柄にもなく声を出して応援してしまう。

こんなに楽しい気持ち、久しぶりだ。

この先、火神黒子ペアはぶつかることもあるけどだろうけれど、今は言える。

今この二人のペアが、いや誠凛が強い、と。


『勝てる』


残り時間も10秒となる。
現状は98の同点、守っていては延長に入るが、あの点を取り合う内容に体力は削れているはず……ならここは攻めなければならない。


相手の選手がゴールにボールを入れようとした時、大我がボールを防ぎそのまま自分達のゴールへと向かった。その横には黒子がいたが、前に来たのは涼太だった。

すると大我は、黒子にパスをだす。そして彼は、ゴールに向かってボールを投げる。皆がパスミスか、と思っているはずだが、これは違う。


『アリウープ…』


そして、ブザービーターと同時にボールはリングに叩き込まれた。

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彩弥 Ayami(プロフ) - 突然のコメントで申し訳ないんですがすごく面白いので更新楽しみにしてますね! (2021年7月16日 7時) (レス) id: ea9a1583d4 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新楽しみにしてます!! (2021年2月20日 3時) (レス) id: 4dd6643142 (このIDを非表示/違反報告)
みうmiu - 更新〜〜〜〜 (2020年11月16日 10時) (レス) id: c3eee88dc9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杜若 | 作成日時:2020年10月4日 19時

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