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六十二話 ページ15

見慣れない天井が見える。
ここは、と辺りを見渡す前に左手がふと重く感じた。そこには、サッチが布団に顔を沈ませるように居た。


『……生きてる』


私が声を出せば、モゾっと動きこちらを見てきた。その目は泣きすぎたのか赤く腫れており、あまり見ていられないような顔になっている。


「Aちゃんっ」

『おはよ、サッチ…』

「おはよう…寝すぎだ」

『……オヤジはどうした?』


起きてばかりで聞くことでは無いだろうが、私は嫌な予感がしていたのだ。サッチは表情を曇らせた。……サッチは何も言わなかったが、それがもう答えなのだ。


『……そっか、そんな気はしてた』


私が能力使って皆を癒しても、親父はあの場に残ると。
あの時、海賊も海軍も両方癒してしまったから…….

体を起こすと、サッチに止められる。
「休んでいないと」と言われるがこの船を出ないといけない、そして、謝らないと……

サッチの静止とともに甲板に出ると、サッチの声で人が甲板へと集まった。そして、私に視線を向ける。皆に向け口を開こうとした時、以前のデジャブかのように、こちらに向かって走ってくる。

その為今回は、上空へと逃げる。


「!…ほんとに、あの力は」


と声が聞こえた。
思わず下唇を噛んでしまうがすぐに表情を戻し皆が居るところより高い所に降りる。


『……助けて下さりありがとうございます。
お分かりでしょうが、私は天の一族…シュビリア・Aです。
それが世間に露顕してしまった今、私は世界政府に追われる身となります。

助けて頂いたことは感謝しています。
流石に恩人の貴方達を巻き込む訳には行きません。ですから、私はここで降りまァッ!?』


降ります、と言おうとした時、背後からの強い衝撃で皆がいる所まで落ちてしまう。ぶつかって来たのは誰だ、と見てみるとそこには…エースが居た。


そうだ、彼にも謝らないといけないことがある。


『エー…』

「なんでお前そんな他人行儀なんだよ!俺達家族だろ!」

『!…私は、シュビリアの者……貴方達をこれ以上!』

「違う!お前はサジャナー・Aだろ?
オヤジも言ってた、お前は娘だってだったら俺達は家族だ
世界政府の人間に追われる?なら俺達が守る!
そうだろ!」


エースが皆の方に向くと、声が上がる。


「当たり前だ!可愛い妹だぞ!」

「妹の為ならどんなやつからでも守ってやるよ!」

「今更他人のフリなんて、やめてくれA!」

『……皆…ありがとう…』

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杜若(プロフ) - miriaさん» コメントありがとうございます!徐々に多忙になりつつあるので更新頻度落ちますが頑張ります! (2022年8月18日 0時) (レス) id: 06c98d5373 (このIDを非表示/違反報告)
miria(プロフ) - つづきすごく気になります!更新頑張ってください! (2022年8月17日 15時) (レス) @page24 id: 56e40795a8 (このIDを非表示/違反報告)
杜若(プロフ) - へびとかげさん» コメントありがとうございます!コメント頂けるだけでも私はとても嬉しいのでそんなことないですよ!更新頑張ります! (2022年8月12日 18時) (レス) id: 06c98d5373 (このIDを非表示/違反報告)
へびとかげ(プロフ) - ほんと好きですぅぅぅぅぅぅ😭大事な場面でこんな不躾なコメント申し訳ありませんがめっちゃ面白いってことをホントに伝えたいです!更新ゆっくり頑張ってください!応援してます! (2022年8月12日 16時) (レス) @page9 id: a209224dbc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:杜若 | 作成日時:2022年8月10日 6時

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