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．
やがて四人は
あのスロープとは反対側に位置する丘の麓でバギーを降りた
砂により滑らかに陽を跳ねる緑の斜面……
その下部に見えたのは
ポツポツと空いた十数個程の黒点
それはどれも頭部大の穴のようで
時折、群れに遅れた海月が
中からさ迷い出てくる事からみても
此処こそが、目的の場所であると思われた
．
雅「確かに中から何か出てきてるけど……何処にも入れそうな所無いよ？
やっぱり何とかして、あのスロープから……」
．
その時、掠れた笛のような音が
幾つか重なり耳に届いた
瞬間四人は身を固めたが
音はどうやら、目の前に点在する穴が奏でているようで……
恐る恐る近付くと、その穴からは
冷たい風が吹き出していた
．
潤「なんだ、この風のせいか……」
音の出所を知り、安堵する松本
しかし櫻井は表情を変え
更に近くへと歩み寄っていく
潤「翔君？」
翔「…この匂い… …どこかで…」
．
風に乗り漂って来たのは
いつか嗅いだ、カビの匂い……
すると相葉が声を上げた
．
雅「翔ちゃん、これ……ほらあそこ！関さんが落ちた所！
そこと……同じ匂いがする」
和「…、…同 じ…」
翔「あ、おいニノ！待っ…」
．
櫻井の制止より先に
黒点の一つに駆け寄った二宮は
穴の縁に顔を擦るようにして
中の様子を窺い始めた
．
潤「何やっ…危ねぇだろ！
何がどうなってるかもわかんねぇのに、いきなり無茶すんなって！」
和「… … 見てよ……繋がってる」
雅「……え？」
和「見てよ翔さん、ほら！」
．
二宮に続き、櫻井もライトを片手に
隣の穴の中を覗く
松本と相葉も同じ様にして
それぞれが、光を奥へと照らし見た
．
その穴の中は……広く
トンネルのように 深くへと続き
数匹の海月が
交差するライトの光を身体に受けて
ほんのり輝き……漂っている
．
和「ここからなら……本当に中に戻れるかも」
．
顔を離し、丘を見上げ
その岩肌に触れる櫻井
表面の緑砂を払い退けてみると
現れたのは、湿り気のある黒層だった
その感触を確かめた櫻井が
徐に、銃床を叩きつけると
黒い岩肌は思いの外脆く……
それだけで僅かにえぐれた
．
翔「これなら…
ここの表面だけなら爆破出来る」
雅「…翔ちゃん」
翔「…よし… …行ってみよう
ここから中へ……」
．
頷き、互いに瞳を合わせ
四人は作業に取りかかる
風の鳴らす笛の音が
か細く重なり……響いていた
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ほうれん草(プロフ) - 初めまして！どうしても気持ちを伝えたくて会員登録しました！現在大学生なのですが、小学校の頃から何度も読み返して楽しませていただいています…！TEMPESTは間違いなく1番好きなケータイ小説です。これからも楽しみにしています！更新ありがとうございます！ (2020年11月23日 3時) (
レス) id: f0434b5d68 (このIDを非表示/違反報告)
ペコちゃん - 毎回ハラハラしながら見させてもらってます。リーダーのその後が気になって仕方がありませんっ！更新首を長〜くして待ってます！ (2020年11月12日 20時) (レス) id: 726f26b2c6 (このIDを非表示/違反報告)
めいそん(プロフ) - TEMPESTで見させてもらった景色が何年経っても忘れられず、ふとまた覗きに来てみたら更新されていてびっくりしました！一気に読み返してしまいました。またこの世界の続きが見られると思うととても嬉しいです。更新ありがとうございます！ (2020年9月13日 20時) (レス) id: 3acd423d16 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - サハラさんの更新通知がとても嬉しいです！サハラさんが描く5人が大好きです。是非結末まで見届けたいと思います。 (2020年9月6日 14時) (レス) id: d6343d5c60 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - サハラさん、更新ありがとうございます。美しい風景描写にうっとりします。本当に大好きです。余韻に浸りながら次の更新をゆっくり待ってます。 (2020年9月1日 18時) (レス) id: 481bc4ee81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サハラ
作成日時：2018年4月13日 12時
