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「やっぱり水族館来ちゃうと見ちゃうよね」
「うん、…」
青の背景にシンプルな照明を当て、透明感を演出それを眺めながら新くんと一言交わした。
小さい時から水族館のクラゲが好きだった。海にいれば人の命を奪いかねないのに、水槽に入れられれば綺麗な姿で魅了する。
…悪く言ってしまえば、'人に寄生するのが上手いんだろう"って思った。
肝心な所を隠してもまだ、新くんとの未来をどこかに願ってる私みたいに。
「伏舞さん、おれ何かした？」
「……へ？」
予想外の言葉に振り返ると、新くんが申し訳なさそうに眉を下げて「なんか変だから、俺といる時だけ」と言う。
……この人に、寄生しようとしている。隅っこにいるタイプの私が。誰の隣にもいるべきじゃない私が、このキラキラした人の隣に。
一度恋をしたら止められないって分かっていつつ、ぎゅっと胸の内で留めて「そんな事ないよ」と微笑む。
「なんかしたなら言ってね、伏舞さん大切だから」
今度こそ驚いて新くんを見る。
「女の子の友達萩原くらいしか居なかったしおれ」
また期待した胸をその言葉で落ち着けては、2人でくらげを眺めてから館内を廻った。
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「……新？」
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作者名：氷 雨 | 作成日時：2021年4月24日 0時
