176 安心したような顔 ページ18
貴女side
点滴の準備をしながら
さっきの彼の言葉を思い出す。
とても素敵な人なんだろうな。
彼がああやって話すのは本音の時だけだ。
…もし
もし、その人が私なら
どれだけ幸せだったんだろう。
こんな素敵な人に、こんなに愛してもらって
本当に羨ましくなってしまうよ
そんな時に
貴方は意地悪なことを聞いてくる。
ホークス「療雅さんにも…
大切な人はいますか？」
記憶が無いからといって確かめるように
そんなことを聞くんだ。ずるいよ
でも、もし
彼は私の記憶は無いと思ってて
私のことを何とも思っていないのなら
一方的にぶつけてしまっても良いだろうか
もうこれがきっと、最後になるから。
こうやってあと1度だけ会わせてくれたのは
きっとこの為だったのだと思うから。
貴「…はい、素敵な人ですよ。
ホークスさんの大切な人に負けないくらい
素敵な人です」
私はそう答えた。
私にとって貴方は、光だ。
私に生きる道筋を照らしてくれる人だった。
いつだって私を笑顔にしてくれた。
貴方が今の彼女に対して想ってるくらい
私も貴方のことを思っている自信がある。
ホークス「…そうですか
………本当に良かった」
貴「え？」
ホークス「あっ…いや、何でもないです
気にしないで下さい」
焦りながらも安心したような顔の彼。
…何？
『本当に良かった』って何？
私を捨てた罪悪感から逃げたかったの？
本当ならそう言いたい
だけど、私は『記憶がない』から
それはしてはいけない行為。
怒っているのではない
凄く悲しい。
どうしよう、泣きそうだ。
伝えたいよ
貴方をずっと愛してるって
でも私には出来ない
それにこれ以上傷つくのは、私だけで充分だ
だからね、啓悟くん
ホークス「…遅くまでスミマセン
今日はありがとうございました」
貴「いえいえ、お気になさらず
…………あの」
あと1度、お願いしても良いかな
貴「彼女のことを
幸せになって『欲しい』じゃなくて
『貴方が』幸せにしてあげて下さい
……それでは、失礼します」
ホークス「え…
……あのっ！」
ピシャリと閉めてすぐに鍵をかけ
その場に崩れる。
ホークス「開けて下さい、療雅さん！」
彼は何回もノックした。
だけどその振動を背中に感じながら
開けることは無かった
しばらく、涙は止まらなかった。
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berumanami0220(プロフ) - ほんとに感動しました。こんないい作品最後まで書いてくれてありがとうございます！ほんとに今までで一番いい作品でした（ ; ; ） (1月9日 1時) (
レス) @page45 id: ea41280661 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - 続けて書いてごめんなさい。今まで占ツクで見てきた中で1番良い作品です。この作品を書いて下さり、完結まで続けてくださりありがとうございました。 (11月21日 17時) (レス) id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
Hidora(プロフ) - まじで感動しました。泣きました。ホークスが亡くなった直後の時、ホークスのMAD聞いてたんですけど、そのMADは米津玄師さんのlemonで歌詞とセリフとで合い過ぎでマジ泣きしました。イメージソングは別の曲だったようですけど、lemonにこんなに会う作品があるなんて…！ (11月21日 17時) (レス) @page45 id: 899cfd5088 (このIDを非表示/違反報告)
ひなた - 何気なく読んだ夢小説でまさかこんなに感動するとは……素晴らしすぎるタイトル回収に、2人の最期、生徒との関係…読んでるうちに自然と涙が出てきました。この作品に出会えてよかったです。 (2023年2月2日 21時) (レス) @page45 id: 1bebe7d5ab (このIDを非表示/違反報告)
アトラ - 好きです…ものすごく心に刺さりました……素敵な作品をありがとうございましたと、との一言に尽きます。 (2022年11月17日 23時) (レス) @page45 id: 59f51d6d35 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2020年3月28日 17時
