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『…昔の話なんだけどね
ずっと信じていたの
空に手を伸ばし続けていたら
きっといつか星に手が届くって』
夜空に浮かぶ数個の光点を教室の窓から眺めながら
そんなことを言っていた。
「いきなり何の話？」
『少し思い出しただけよ。
でもね、こうやって輝いてる星の光は
何万年も前のものだったりするらしくて
もしかしたら今は存在しないかもしれないんだって」
中学生でも分かることだ。
それをあたかも凄い事のように話す。
「誰にでも分かんだろ、そんくらい」
『本当に？じゃああの星はまだ在るの？』
「知るか」
『ほら、知らないじゃない』
クスクス笑うその顔が無駄に綺麗で
だからこの偶然にも作られた2人きりの空間を
抜け出せない。
『仮に星に手が届く人が居ても
その星がもう無いものだったら普通意味が無いよね』
硝子は寝ている。
傑は…もう居ない。
『でも…夏油は、そこに意味を見出したんだろうね』
「…知るかよ」
そう答えた。
知りたくなんてなかった。認めたくなかった。
たった1人の親友が
誰よりも一般人を守る為に動いていたアイツが
呪詛師になっちまったなんて。
集落の人間を皆殺しにした？親を殺した？
仮にそれが事実だとしたら
「…イカれすぎだろ」
何でこうなる前に俺に言ってくれなかったんだよ。
『五条のそういう所、本当に好きじゃない』
笑顔で言われた。
ああ、俺も気に入らねえよオマエのそういう所。
でも、笑ってない目で俺を捉えた後に続けたのは
忘れられない言葉だった。
『夏油が何で五条に何も言わなかったか分かる？
君が言葉だけで否定する人だからだよ。
一緒に手を伸ばして結果を分かち合おうなんて
微塵も思わなかったでしょう』
「それは_____『夏油がイカれてるから？』」
『それしか出ないでしょうね。
だって貴方は何でも出来る力を持ってて
自分が1番正しいと思っているから』
思い出した。新宿で鉢合わせたあの時
「君なら出来るだろ、悟」
そう言われた事を。
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はぁぶ。 - たった三話だけでここまで感動させるとか、神ですか？ (2021年1月22日 17時) (
レス) id: f02807bc8d (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 真希さん» ありがとうございます！短編集も別で出しているのでよろしければご覧ください(^^) (2021年1月12日 4時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - 麗奈さん» ありがとうございます！シリアスにどうしてもなっちゃうんです^^;これからもよろしくお願いします(^^) (2021年1月12日 4時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
真希 - 短いお話なのにすごく感動しました。これからも頑張ってください。 (2021年1月8日 22時) (レス) id: 38e55839e7 (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 相変わらず素敵すぎます…。短いのに何でこんなに美しい話が書けるんですか？文才分けてくれませんか？とりあえず大好きです (2021年1月8日 1時) (レス) id: 94e620075a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mona
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時：2021年1月8日 1時
