【呪術廻戦】補助監督鍵ちゃん

24. ホラは上手いが嘘は下手 ページ26

【鍵兎side】




七海を飲みに誘ったのはマジで何となく。

疲れてるだろうなーって思ったから。



つーか1週間前には死にかけてたんだよね。

それでも何の文句も言わず任務続けてるって
マジ凄いよね。ウケるね。ウケないか。




『何でこの世界に戻ったの？』

「それ、飲みに行く度に聞いてますよね」

『うん。でも納得出来てないから』



労働も勉強も術師もクソだと私も知ってる。

女は愛嬌でガッポイだし
男は金があれば何でもオッケー。

そういう国だよ、ここは。



術師のが適性あるとか云々言ってるけど
七海は頭良いし顔もまあ良いしお金稼げるし

わざわざこんな命張る世界に戻らなくても充分
誰か好きな人と結婚して普通に幸せになれる。



「……君は、どうして術師を辞めたのですか」

『質問に質問返し？』

「同じ1級と言えど幅はあります。
君はこの中でも特級と遜色無い実力があった。


……灰原の事を、気にしているからですか？」



サングラスの奥の目は
まっすぐと私をとらえていた。



『…なワケ。


痛いのがヤなの。なんで自ら進んで呪いに
ボコられに行かなきゃなんないのって話。

私はこれくらい緩〜い仕事が向いてんのよ』



クズって？そんなこと周知の事実だわ。




灰原の件は…仕方が無かった。


助けられる人間には限りがある。
天秤にかけなきゃいけない時がある。

灰原と七海、どっちがヤバいってなった時に
優先順位が高かったのが七海だっただけ。



てか私が気にしてんのは…




『…わざわざ私とかアンタが頑張らなくても

あの人1人で何とかなるでしょ



………なぁーんてね！！』





七海は何にも言わなかった。
別に怒ってるわけではない事くらい分かる。


そして少しして



「…私も君も、嘘が下手なようですね」

『ウケる。言えてるね』




それなりに優しい嘘だから許して欲しいわ。

だってどうせ直接言ったら泣くでしょ
『あんたは悪くないよ』って。

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