【呪術廻戦】補助監督鍵ちゃん

22. パクリ、ダメ、絶対。 ページ24

【七海side】




「…良い歳して何泣いてるんですか」

『うっ…だってぇ…

私のエクストラ鍵ちゃんマッハ号が……
それもだけど…痛ーーい！！！！』



新車の匂いが充満するこの狭い空間で

隣で見て分かるたんこぶを抱えて泣き止まない良い歳した大人の相手をする。

こんな経験をするとは思ってもいなかった。


「狭い空間で大声を出さないで下さい。
耳に障る」

『アンタ鬼か？アレか？○惨様か？』

「あいにく私は鬼殺の剣を読んでいません」

『分かってんじゃんでもちょっと違うね？？
それどこぞの国のパクリだよ』



泣き止むのが早い。
話をそらせばすぐに気が飛ぶ。


「泣き止みましたね。早く出発しましょう」

『それがお前のやり方か○惨様ァ

全く感心しちゃうよ〜
こんな過労死待ったなしのクソスケジュールに
ちゃんと付き合ってあげてるなんてさ』



先日、死線と言えるほどの戦いを経て翌日から
昨日まで仙台出張。そして今からは茨城の方で
彼女と目撃情報に即して調査を行う。




『マジでクソだわこの車遅すぎる』

「…そうですね」



補助監督1人につき1人の術師がつくわけでは
無いが、彼女は私の担当になる事が多い。


あの違法ギリギリの改造車のスピードに
慣れてしまっているからか、私もそう感じた。



『…たまには休みな』

「それは君もでしょう」

『私はいーんだよ前まで休み貰ってたし。
今だって余裕で婚活パーリーナイト出来てる』



虎杖くんから聞いていた。

【夜中に酔っ払って車に撥ねられた】と。




そんな嘘をついても何の得も無いのに。

【知らない子供を庇って撥ねられた】と
本当の事を言わないのは、何故だろうか。


「根の誠実さを隠す必要は無いと思いますが」

『車に轢かれるなんてレア体験したんだから
多少面白く話盛ってもバチ当たんないって』




自己犠牲をモノともしない。

その割に、術師を辞めたのは
『痛い思いをしたくないから』だと言う。



どこまで信じて良いのか

根が悪くない上に頭の回転が速い分だけ
私には判断できない。

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