28. 恐怖 ページ30
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そして前日。
全ての準備を終わらせて、夕方はまたふと
窓を眺めていた時だった。
いつものように使用人が夕食の手筈を整えて
呼びに来た。
ただそれは普段の女性の使用人ではなく、
ライズだった。
「…本日は陛下からお話があるそうです。
お食事はご一緒に召し上がって頂きます」
薄手の上着がクローゼットから出てくると同時に髪は前のように綺麗に束ねられる。
とても憂鬱だが、そんな気はしていた。
国王と顔を合わせるのは何年ぶりだろうか。
2年…いや、それよりも前かもしれない。
「…くれぐれも貴女が前に外に出かけた事は
話さないようにして下さいね」
言うわけがない。
あの暴君の事だ、些細な発言が命取りになる。
「もちろん分かっているわ」
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いつもとは違う部屋に通される。
2人分の椅子と食器が準備されている。
まだ国王は来ていなかった。
本当に…他にはいないの?
「ご安心ください、私は同席しますので」
その気持ちが顔に出ていたのか、ボソッと
そんな言葉をかけてくれたライズ。
待つこと15分。
開かれた扉からようやく、国王は姿を現した。
彼の冷たい視線が私の目に入る。
それだけでも背筋が凍るような感覚だ。
「久しぶりだな…ステラよ」
「お会いできて…大変嬉しく存じております」
立ち上がって頭を下げ続ける。
恐怖で震えそうな足を、必死で抑えながら。
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Mona(プロフ) - アヤさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます( ; ; )これからものろのろ更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2019年12月8日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 早く!続きが読みたくて、うずうずしています。かっちゃんとステラの葛藤が待ち遠しいです。いつまでも次の話待ってます(*´ ˘ `*) (2019年12月7日 10時) (レス) id: ffe771d046 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - あすまさん» ありがとうございます!これからも亀更新ですが頑張りますね( ; ; )よろしければ他の作品も覗いてやってください(^^) (2019年11月27日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - 最後までいっきに読んでしまいました!とっても面白いです!更新楽しみにしています!応援しています頑張ってください! (2019年11月25日 1時) (レス) id: 0aabcfb8f7 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - siroさん» ありがとうございます!これから面白くしていくつもりですので最後まで見届けて頂ければ嬉しいです(^^) (2019年10月18日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st
作成日時:2019年9月27日 20時