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13. 異世界の人間 ページ15







「______貴方…日本人?」




高すぎない透き通った声が

騒ぎ立てる周りの音を突き抜けて耳に入る。




「……あ?」



かけられた言葉を理解する事が出来たのは、
その言語が日本語だったからだ。



確かに女の声だった。

だけどその方向にいる女はベルガラント人。


こんな貴族がたかが日本人の言語なんざ
話せるわけが__「やはり、そうなのですね」




帽子を取ったその女の顔を見て、息を飲んだ。



金髪に、宝石を吸い込んだかのような青い目。
整ってねぇ部分を探す方が難しいような顔だ。


まるで、この世の人間とは思えなかった。
そんな女が、俺と同じ言語を話してやがる。




「…お前、この国の人間じゃねェのか」


日本語で聞いてみると



「じゃねぇ…とはどういう意味ですか?

違う、という意味ですか?」



キョトンとした顔で真面目に聞いてくる。
そりゃァ教養でこんな言葉遣いは学ばねぇか。


「…ああ、そうだ。何で日本語喋れんだよ」




女は少しの間、黙った後
わずかに口角を上げながら答えた。


「私はベルガラールの人間です。

日本語は小さい時から習っていました。


そして、助けてくれてありがとうございます。



貴方とお話がしたいのですが…

私の待ち人が来るまでの間、お時間を頂いても
よろしいでしょうか」




さすがこの国の人間だ、と言うべきだろうか。

どうすりゃこんな言葉遣いで話せんだよ。



奥の方を見ると

『ごゆっくり』って口パクして手を振るクソと

謎に納得した顔のもう1人のクソが見えた






この国の人間と話す機会なんてねェだろうし


またこの女に変な奴が寄っても面倒くせェ。





「…好きにしろ」




その言葉の解釈に少し時間がかかったのか

時間差でまた微笑を浮かべる女。





「では…お名前を聞いてもいいですか??」

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Mona(プロフ) - アヤさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます( ; ; )これからものろのろ更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです!これからもよろしくお願いします(^^) (2019年12月8日 0時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
アヤ(プロフ) - 早く!続きが読みたくて、うずうずしています。かっちゃんとステラの葛藤が待ち遠しいです。いつまでも次の話待ってます(*´ ˘ `*) (2019年12月7日 10時) (レス) id: ffe771d046 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - あすまさん» ありがとうございます!これからも亀更新ですが頑張りますね( ; ; )よろしければ他の作品も覗いてやってください(^^) (2019年11月27日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)
あすま(プロフ) - 最後までいっきに読んでしまいました!とっても面白いです!更新楽しみにしています!応援しています頑張ってください! (2019年11月25日 1時) (レス) id: 0aabcfb8f7 (このIDを非表示/違反報告)
Mona(プロフ) - siroさん» ありがとうございます!これから面白くしていくつもりですので最後まで見届けて頂ければ嬉しいです(^^) (2019年10月18日 22時) (レス) id: bb0d022ee1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mona | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=academia1st  
作成日時:2019年9月27日 20時

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