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治療ってなに ページ41

ラギーセンパイが僕の服から手を離したとき、センセーたちが到着した。

彼らが魔法でフィールドを直す中、



「Aくん!!!!」



学園長の一際大きな声に、その場にいた全員がこっちを見た。

心做しか悲鳴も上がった気がする。



「話は後でじっっくり聞きます。すぐ保健室に__」

『大丈夫、自分で治せますよォ』

「治す?…アナタ、治癒魔法がどれだけ難しいか知ってるんですか?少なくともユニーク魔法ではないのでしょう」



その辺は知られてたのか。

でも、治せるのは本当。証明だってできるけど、人前でやるのははばかられる。



「どうであれ君はいま大量に流血しています。速やかに保健室に行きなさい!」



パチンと指が鳴ると、次に瞬きをしたら保健室にいた。

ていうか病院じゃなくて保健室に行かせるって。ウチの保健室どうなってんの?

勝手に治療道具がふよふよ浮いて僕の方に寄ってくるが、片手でそれを制止。



大会はまだ始まっていないから他に誰もいない。

"幽霊"を通じてドアの外の廊下を見たが、人が来る気配もなさそうだ。

一度上の服を脱ぎ、腰に提げた鉈をまた取り出す。









『あ、タオルねぇわ』









そう呟いたのは頸動脈を切った後(・・・・・・・・)だった。









じゅわ、と焼けるような音と共に、身体から黒い霧が立ち上った。


置いておいた左腕が包帯のようにくるくる解け断面のあたりに吸い付くと、今度は包帯を巻くように動き、たちまち腕が復元した。


切り裂かれた腹でもじゅわじゅわ音がして、数秒もすればあっという間に無傷の体が完成する。

インナーは左袖だけ肘の辺りで破れてしまっている。



さっきの僕の呟きが聞こえたのか、備品のタオルの方からこっちに寄ってきて、首についた血を拭ってくれる。ついでに鉈のほうもタオルに拭ってもらった。



壁には液晶画面がかかっていて、開会式の様子が映っている。

列の中には寮長を含むサバナクロー寮の姿もあった。どんな形かは知らないが出場権剥奪は免れたようだ。

しばらくすると、学園長の話の中で



「今年は最初にエキシビションマッチを行います。メンバーは…えーと、とある寮のユウくん、グリムくん。さらにゴースト3名。そして助っ人にハーツラビュル寮の……」



そこまで聞いて、いても立ってもいられなくなった。

鉈はベッドの下に隠し、急いでコロシアムに向かった。









『仲間外れダメゼッタァァイ!!!!!!』









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作者名:くろかは | 作成日時:2020年3月24日 15時

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