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友達ってなに ページ4

学校につくと門を抜けた先にメインストリートがあって、脇に大きな看板が立っている。



「オラ、お前はクラス確認してこい」

『センパイはァ?』

「入学式より前に知らされてる」

『ほへェ』

「じゃ」

『え待ってよセンパイ置いてくなよォ!!』

「うるせぇこっからは自分でなんとかしろ!!子鹿かテメェは!!!!」

『その通ォり!!!!!』



懇願虚しくセンパイは行ってしまった。

ともあれ言われた通り看板を見上げる……が。






『嘘だろ僕字読めねェよ』

「え」

『え』




ポロッとこぼれた言葉に横にいたやつが反応してきて逆にビビった。お前耳いいな。

字読めないってやっぱ珍しいのか?でもなァ、出来ないもんは出来ないしなァ。




「よかったら見てやるが…名前は?」

『うわァ助かるよ!僕はA、ついでにお前のも聞いていい?』

「あぁ勿論。お…僕はデュース・スペード。どうやら同じクラスみたいだし、これからよろしく頼む」

『おぉ…かっけェ名前だなァ!こちらこそよろしく、デュース』




そう言うとデュースは目元のスペードをゆがませ、優しく笑った。

思ってたより早くトモダチができたなァ。……え、トモダチだよね?違う??まァいいや。

……ところで。




『重ね重ね悪いンだけど…教室までついていっていい?こんな広いとこ来たの初めてでさ』

「あぁ。それに、こんな広い場所に慣れてる方が少ないんじゃないか?…と、信じたいのが本音だが」

『だったらいいなァ、僕あんまり浮くと辛い』




これにはデュースも苦笑い。彼曰く、スペード家はごく一般的な家庭の部類に入るらしい。こんな広い場所があるのは博物館か王族の城くらいだとか。

僕に一般常識ないのは自覚してるからそういう知識すごく助かるよ。




新入生向けらしい看板を頼りに(デュースが)進んでいくと、寮とは違った雰囲気の部屋がたくさんあって、さらに入口にかかったプレートを確認しながら進むと「ここか」と立ち止まった。僕もそれに倣う。

重そうな木の扉を開けると、デュースの背中越しにたくさんの顔、顔、顔。

なんだかショーを始めるみたいだ。みんなこっち見てる。
ニコリと愛想笑いをし、黒板に張り出された席順の通りに座った。

デュースは左斜め後ろ。トモダチが近くにいてくれるのは心強いね。



ずっと夜に動いてたぶん日光は新鮮で、背中に受ける暖かさについウトウトしてしまう。

寝たら何を言われるかわかんないから頑張って起きるけど。

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作者名:くろかは | 作成日時:2020年3月24日 15時

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