89, ページ43
遊び疲れて、秀一の膝の上でゴロゴロする。頭から顎、背中、腹と撫でられてうっとりしてたら、秀一は携帯片手に難しい顔をしてた。
『みぃ？(どうしたの？)』
「ん？……何でもない」
『…………(何でもないって顔じゃないよ……)』
秀一が携帯をソファに置き、キッチンへ飲み物を取りに立ち上がったのを良いことに、携帯を覗き込む。見てたのは明美さんとのメール。
明美さんへは組織に潜入するのに、利用するため近付いた。その為にジョディとも別れた。
これからは秀一の恋人だった明美さんも、組織に命を狙われる事になるだろう。明美さんは末端の方だけど、組織からしたら関係ない。
(……明美さんを本当に好きになったんだね……)
明美さんの事のために、FBIの人達は動けない。
明美さんの行動を、ずっと把握することも難しい。
離れてしまえば、いざというとき何もできない……。
(……だからそんな顔をしてるんだね)
私、…………決めたよ。
「A、何処かに行くのか？」
本当に秀一は鋭い。こう言うときは、気づかなくても良いんだよ？
『みぅ(ちょっとそこまでお散歩に)』
「気を付けていくんだぞ」
『みゃあ(行ってきます)』
「……A、必ず帰って来い」
『みゃあ。みぅみぅ(もちろん。必ず帰るよ)』
秀一に必ず帰ると約束して、私は彼のもとを離れた。
大好きな人の、大切なものを守るために＿＿＿＿。
赤井side
遊びに行ったAは、夜が明けても帰ってくることはなかった。
「…………」
「赤井さん、そろそろ……」
「……あぁ」
ギリギリまで粘ったが時間になってしまい、家を出て車に乗り込み空港へ向かう。
「見つけたら必ず連絡しますよ」
「……頼む」
ゲートを潜る前に後ろを振り向く。
(あいつは賢い。必ず帰って来る……)
俺は小さな家族の無事を祈り、日本を発った＿＿。
──赤井が日本を発つ数時間前。ある場所で一騒動起きていたのは、当事者達以外誰も知らない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 851人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪丗(プロフ) - まぁさん» コメントと誤字の指摘ありがとうございます。誤字は修正いたしました。睡眠不足になりながらも読んで頂けるなんてとても嬉しいです。ありがとうございます。最後まで楽しんで頂ける作品になるよう精進していきます。 (2018年6月23日 21時) (
レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 只今睡眠不足になりながら読んで居ますとっても面白いので続きが楽しみです(*´ω｀*) 60話目なのですが「不思議の国のアリス」は童話で童謡は歌です。 (2018年6月23日 21時) (レス) id: bc142c419e (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます。夢主ちゃんの恋は……どうなるんでしょうかね？作者もうまくいって欲しいと思ってます。ルパンは夢主ちゃんの遊び(イタズラ)相手です！これは変わることはないでしょうw最後まで楽しんで頂ける作品を作れるよう頑張ります。 (2018年4月26日 21時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - このお話では夢主ちゃんの恋が実るのか気になります！あとルパンも好きなので、出てくれてて嬉しいです！これからも頑張ってください！ (2018年4月26日 20時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - シーナさん» ありがとうございます。読んで頂いて作者もとても嬉しいです。 (2018年4月22日 22時) (レス) id: 6ba5bde614 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪丗
| 作成日時：2018年4月18日 17時
