検索窓
今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:13,445 hit

31 ページ32

この日から私の心境に変化が訪れたのか、小さな魔法は使えるようになった。火を灯したり、風を吹かしたり、水を湧かしたり、地が盛ったりなど。

ゼオンの魔力に包まれながら生活し続け、知識と共に魔力のコントロールを学び続ける。

……けれど容赦が無いのは変わらなかった。

魔力のコントロールには体力も必要。ふらふらな状態で使えば、変な効果が現れたり、発動しなかったりする。場合によっては意思に関係なく、人に危害を及ぼすからと。なので体力を付けるための走り込みだ。

強制的に走らされ、一カ月くらいでやっと山を下りることが出来た。

それから二週間目の今日。やっと里まで走って来ることが出来たのだ。死ぬ。

『はぁ……はぁ……ぜ、ぜおん、は、鬼です……』
「ん?」
『……鬼とか……悪魔の部類に違いないです……』
「なるほど?……鬼か。そんなに言うなら、答えてやろう」
『え……?』

地面に向けていた顔を、正面にいるゼオンへ向ける。すると彼の容姿がみるみると変わっていくのだ。

目の色や髪色は変わらないが、すらりとしていた体格が大きく膨れあがり、筋肉が膨張。身長も二メートルは軽く越える。頭からは角が生え、整っていた顔立ちも厳つい顔へ。口からは牙が飛び出し、目がつり上がり眼光も鋭い。

『……ご、ごめんなさぃ……もう言いません……いつものゼオンに戻ってくださぃ……』

本物の鬼。はっきり言って恐すぎて泣く。

「わがままな小娘だな」

この言葉と共に元の姿に戻ったゼオン。でも私の目からは、ぼろぼろと涙が溢れてきた。

「戻したのに何故泣くんだ……」
『うぅ……怖かっ、た……。夢に出そう……です……』
「もうやらんから泣くな」

優しく頭を撫でられ、ほっと息を付く。でもちょっと仕返ししたくなり

『……寿命が縮んだ気分です』
「ただの気分だろう。こんなことくらいで縮むことなどない。安心しろ」

間髪いれずに否定された。悩む素振りもない__。

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
設定タグ:女主人公 , ファンタジー , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです!トレントの場面、ドキドキしました!どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください! (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました!参考になりました! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ! (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。