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──朝起きたら、お役目の時間。朝食を食べて、お勉強の時間。昼食を食べて、一時間程お役目をやってお腹を落ち着かせる。そして午後からまたお勉強。それを繰り返していたら基本的な文字の読み書きは出来るようになった。そして今は

「もうバテたのか?」
『はぁ……はぁ……けほっけほっ……!』
「体力もないな」

言いたい放題のゼオンに文句を言いたいが、膝に両手を当てて前屈みになりながら、肩で息をする私。言葉を出す余裕がない。

何故こんなに息を切らしているかというと、ガランの家から一族の里まで止まること無く走らされたからだ。ゼオンに。強制的に。魔法の力で。私の体を操って。

───
──


基本的な文字の読み書きが出来るようになってから始まった走り込み。最初の一日目は、山を下りる前に力尽きた。

なので呆れ顔のゼオンに里まで運んでもらい、実戦を含めた魔法のお勉強。室内でやるより、外の方がいいからって。

目を瞑り、息を大きく吸って吐き出す。深呼吸を二回ほどやって、目を開ける。手の指に火を灯すイメージを頭に浮かべて

『灯火よ』

小さな声で詠唱すれば、火が灯ら……なかった。うんともすんとも言わない。

『……灯火よ』
「…………」
『……と、灯火よ……』
「……先は長そうだな」

ゼオンの言葉に肩を落とす。彼が言うには「浄化は出来るのに、小さい火を灯す事が出来ないのが不思議」だそう。

浄化の能力も魔法の一種。自分自身の魔力を使っているのだそうだ。癖になっているからか、意識して浄化の力を使うことは少ないけれど。

お役目の仕事のときは、呼吸をするのと同じ感じで。意識して使ったときと言えば、魔獣に襲われたときくらい。

「なるほど。魔力のコントロールが出来ないのか」

私が火を灯そうとしてる姿を、じっと見ていたゼオンが口を開いた。

『コントロール?』
「魔法を使うには、魔力というエネルギーを込めなければ使えないもの。お前の場合、体を巡る魔力が内側で停滞している。指の先に火を灯すためには、魔力を外に放出しなければならない。にも関わらず、お前が頑固なのか外に出ようとしない」

何故か暴言みたいなことを言われた……。

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設定タグ:女主人公 , ファンタジー , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです!トレントの場面、ドキドキしました!どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください! (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました!参考になりました! (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ! (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪丗 | 作成日時:2018年11月22日 0時

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