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二〇分くらい維持していれば、ゼオンの魔力が少しずつ手首から肘へと移動していく。彼に視線を向ければ
「手だけに意識を集中」
『は、はい！』
間髪入れずに注意をされて右手に視線を戻す。ゼオンの魔力が肩まで移動したのを感じたとき、浄化の力が右腕全体で光を発した。いきなり強くなった光に驚いて声をあげてしまう。
『わっ！』
「自身の力に驚いてどうする」
『う……』
肩を落とし視線を地面に向けていれば、「約半刻か」という呟きに顔をあげる。
「強制的に一部に絞った形になったが、まあこんなものだろう。今のはどう感じた？」
『どう……ゼオンの魔力に閉じ込められた私の魔力が、出口をさ迷って体の中を移動している感覚でした。出口を見つけたら我先にと外に出ようとし』
「もういい……」
『最初はそういう感じでした』
「……ほぉ？」
『出口が右手だけになってからは、体の中の魔力も意識してみました』
「どう意識した？」
『ゼオンがいつもしてるみたいに──』
毎日体に纏われているゼオンの魔力。以前にも言ったけれど、体を滑るように動く彼の魔力は血液が流れているのと同じ感覚。だからそれを意識してみた。外に出ようとする自身の魔力を、循環させるように体の中で流れるように動かす。
右肩から頭へ左肩、左腕、左手を通り肩に戻る。そこから胸、お腹、お尻を通って左足へ。時計回りになるように動く魔力は、最終的に右手にたどり着く。そしてそれが浄化の光になって放出させる。
『──ですが、ゼオンの魔力が肩まで下がったあとは溢れました。……すみません』
頭を垂れて謝れば、頭に手の重みを感じる。誰のものかなんて、ここには私とゼオンしか居ないから選択肢は一つしかない。
そっと頭を上げてみれば、僅かに目元を柔らかくしたゼオンだ。一緒にいる時間が誰よりも長いから、ほんの少しの表情の変化に気付くようになった。この表情は──
『まだまだですけど頑張ります！』
「ああ」
両手を拳に握って言った私の言葉に、頭をくしゃりと一撫でしてくれる。
(これからも誉めてもらえるように！そして数少ないゼオンの柔らかい表情を見るために！頑張ります!!)
こういうのを下心だということを、あとからバレッタに教えてもらって知識を得た私でした＿＿。
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雪丗(プロフ) - キキさん» こちらにまで来て頂き、ありがとうございます。こちらの小説更新はカメさん以下の速度になるかと思いますが、少しずつ更新していきたいと思っております。今後ともよろしくお願い致します。 (2019年1月24日 13時) (
レス) id: b6a8bd3c6a (このIDを非表示/違反報告)
キキ(プロフ) - チェシャ猫が好きすぎて、こちらにも遊びに来たのですが…こっちもすごく面白いです！トレントの場面、ドキドキしました！どのキャラクターも皆、素敵ですね♪ファンタジーの不思議さやカッコよさがとても伝わってきます。無理なさらない範囲で、がんばってください！ (2019年1月23日 22時) (レス) id: cc6696e063 (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 雪丗さん» アドバイスありがとうございました！参考になりました！ (2018年12月16日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 如月 唯奈さん» アドバイスが出来るかはわかりませんが、小説を読まさせて頂きます。読み終わりましたら、如月様の小説の方へコメント致します。少々お時間下さいませ。 (2018年12月12日 0時) (レス) id: a6201812ee (このIDを非表示/違反報告)
如月 唯奈 - 私もファンタジーのオリジナル小説を書いているのですが、表現が上手くできません……何かアドバイスくださいっ！ (2018年12月11日 21時) (レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪丗
| 作成日時：2018年11月22日 0時
