貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】

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俺の疑問を先に解消したいところだが、降谷くんも感情的になっていて答えてはくれないだろう。なので彼の疑問を先に解消することにした。


チェシャが眠っているベッドを挟んで、彼と向き合うようにベッド脇に椅子を置いて座る。


１つ息を吐いて、俺が観覧車の上から見た所から、順番に説明していく。


身動き取れなかった観覧車で囮として動き回り、ジン達の攻撃を引き受けたこと。
観覧車を止めるために、彼女が一役かったこと。


「ちょっと待て！」


「なんだ？」


「Aさんは極度の運動音痴だ。走るなんて出来るわけ……」


「運動音痴？そんなわけないだろう。彼女はチェシャ猫なのだから」


「は？」


彼女がチェシャ猫だと言うことも詳しく説明すると、降谷くんの眉間に皺が寄っていく。


「組織に潜入するにあたって、身体能力は隠したんだろう」


「……ノーコンもか……」


「ノーコン？」


彼女はチェシャ猫であることを隠すために、運動音痴に加え狙撃の腕も悪く見せていた。出来ることを出来なくさせて、徹底して正体を隠すために。


そして最後に彼女の状態を事細かに説明する。


「俺の知ってることは以上だ。今度は君が俺の質問に答えてくれるか？」


「……俺のわかる範囲なら」


降谷くんの知っていることも、あまり多くはなかった。彼女の戸籍を調べたが名前と年齢のみ、それ以外は何も出てこなかったこと。そして


「彼女が、……情報屋-Segreto-」


チェシャとSegretoが同一人物。……やはりそうだったか、騙されたな……。以前、チェシャを呼び出した時に聞いてみたことがあった。


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