貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】

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赤井side


ベットに横たわる彼女を見る。酸素マスクをしていて顔半分は見えないが、蒼白い顔色で死んでるように見える。胸が上下しているのを見て、ほっと息を吐いた。


「赤井くん」


「……はい」


「少しだけ良いかな？」


「……わかりました」


ジェイムズに呼ばれたので、チェシャの頬を一撫でしてから病室を出る。病院側の計らいでチェシャのいる病室と、その隣に個室を用意して貰った。場所も人通りが少なく人目に付きづらい所に。キールの時といい、ここの院長には頭が上がらないな。


「彼女は一体誰なんだね？」


「彼女はチェシャ猫です」


目を見開き驚きを隠せない、ジェイムズ。チェシャの事は報告していたが、実際に会うのは始めてのはず。初見で彼女がチェシャだと理解するのは難しいだろう。そのまま俺はジェイムズの質問に、わかる範囲で説明していく。






――全て説明し終えたあと、彼は病院を後にした。俺はチェシャの付き添いのため隣の病室へ戻ることに。


チェシャの眠っているベッド脇にある椅子に腰掛け、彼女の手を取る。ガーゼのついた顔、頭や腕に巻かれた包帯、車で応急処置をしてるときに見た彼女の痛々しい姿。


チェシャを見ていると、東都水族館大観覧車でのジン達との攻防戦を思い出す。


軍用ヘリに搭載された赤外線モニターによって、こちらの動きは丸わかり。少しでも動けば狙い撃ちにされ、身動きひとつ取れない状況だった。そんな時、銃撃が一方向に向けられた。


「……お前が囮になっていたんだな」


チェシャが囮になってくれたお陰で、奴らに反撃するチャンスが出来たのは確かだ。だがあまりにも……


「代償が大きい……」


両手で彼女の手を包み込み、自身の額につける。


「……１人で無茶しすぎだっ……」


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