貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】

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男がマリア像のお腹から宝玉を抜き取ろうと手で触れた瞬間、大きく傾いたマリア像は男に向かって倒れてくる。


傾いた瞬間に私は半獣になり不二子へ走る。そして彼女を腕と尻尾で抱えて、地面を力一杯蹴り飛び退いた。


男の方は横に避けようとしたが間に合わず、足がマリア像と床に挟まれてしまう。


「ぐあぁぁ!?」


「あーりゃりゃ……」


『今のって、やっぱり宝玉に触ったからー？』


「女の子に渡したプレゼントを、奪い取ろうとすっから痛い目に合うんだぜぇ？」


『なるほどー。マリア様が怒ったと……』


ならルパンが取っても怒るんじゃないか？と思いながらも、口には出さずに成り行きを眺める。


爆発で大きくヒビの入る壁。ガラガラと崩れてくる天井の破片が目の前に落ちてきて、あまり時間が無いことを表している。近くにあった鋭利に尖った石を使い、不二子の拘束を解く。


「……ぐっ!!この宝玉さえあればやり直せるんだ……何度だって……」


男が近くに落ちていた宝玉を握り締めた途端、ｶﾞﾗｯ!と大きな音を立てて、男の上に天井が落ちてきた。動くことの出来なかった男は、そのまま下敷きになってしまう。


男の体は宝玉を握っていた腕しか見えない。それ以外は恐らく……。


『本当にあれ盗むの？』


宝玉を指差しながら、ルパンに顔を向けて問い掛ける。はっきり言って、このまま瓦礫に埋まっていた方が良いんじゃないかと思いながら。


ルパンは崩れ落ちてくる天井を回避しながら、どうするか悩んでいた。でも不二子は


「ここまでやって、何もなしなんて私はイヤよ!!」


『危ない目にあったのに懲りないねぇ……；』


不二子の我が儘に眉が下げる。そこに現れたのは


「ルパーン！逮捕だー!!」


『誰？』と不二子に問うと「ICPOの銭形警部。ルパンを捕まえる為に、生きてるような男よ」って教えてくれた。へー、ルパンも大変だなー。なんて他人事のように思う。他人事だけど。


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