貴方のために出来ること〜もう一つの未来へ〜 【名探偵コナン】

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お風呂から出たら、不二子と共に三階へ降りる。三階は子供用の居住スペース。大部屋が数室並び、中を覗いて見れば二段ベッドが等間隔に並んでいる。パッと見た限り、寝るためだけの部屋だ。その場にいる子達と軽く自己紹介をしながら、あちらこちらと見て回る。


食堂へ行けば結構なメニューがあった。好きなものを頼んで良いとのことだったので、一番人気だと言うカレーを頼んでみることに。


少しするとカウンター越しに、カレーが出来たと声が掛かる。それを受け取り席へ着く。じっと見つめて匂いを嗅ぐ。


(変な匂いはしないな……)


目の前にいる不二子は表情はにこやかだが、僅かに心配そうに様子を伺っていた。


(だいじょーぶ！私に薬類は効かないから)


って意味を込めて笑顔を向けてから、カレーを口に放り込む。もぐもぐと咀嚼して、ゴクンと飲み込む。


『……美味しい』


私がぼそりと呟くと、不二子が僅かに目を見開く。次々とカレーを口に運ぶ私を見て、問題ないと悟ったのか彼女の表情が和らいだ。


食事をし終わったら、他の施設も見に行く。図書館と言われているところの蔵書はかなりの数。絵本から専門書まで、あらゆる本が置かれていた。


大浴場はその名の通りとても広かった。子供なら30人位は余裕で入れそうな広さ。


室内運動場は高さを取るために、二階の天井が三階の天井の高さまで吹き抜けになっていた。ルパンが用意した見取り図を見たときは、『なんだこの空間？』って思ったけど納得。


祈りの部屋へ入れば、正面中央には両手を合わせているマリア像。まっすぐ延びた通路の両端には、マリア像へ祈るために机とイスが並べられていた。数人の子供達が祈っている姿を横目に


(子供達の心の拠り所かな？)


こういう場所も必要なんだなって、他人事のように思ってしまった。この祈りの部屋は、子供達から教会と言われてるらしい。今は居なくなってしまった子が、そう呼んでいたと。まあそれを模して作ったような感じだから間違ってはないか？


見学し終わったあとは消灯時間まで子供らと話をして、不二子の部屋へと戻る。なぜ戻れたか？私の保有者は彼女になった。だから管理も不二子ってことになってる。私的には助かるけど。何かあったら彼女の責任になるので、気を付けないと。


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