はんぶんこ (ページ23)

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廉「Aはなんで俺の誕生日知ってたん？」

「えっ…」

廉「だって俺言うてないやろ？」

「えっと…」

もう言い逃れできないと思って

昨日の出来事を全部話した

廉「人の物勝手に見やがって」

「ごめんなさい…」

廉「でもおめでとうって言ってくれて嬉しかった。ケーキも。ありがとうな」

「えっ、うん…」

好きな人からのありがとうって

こんなに嬉しいんだ

「なんか廉が素直だと変な感じするね」

廉「なんやねんそれ。俺はいつも素直や言うてるやろ」

「はいはい。じゃあ17歳はもっと素直になりましょうね」

廉「なんやねんその言い方。腹立つわ」

そんな言い合いをしながら

食べ終わったケーキの容器を片付けていると

廉「いつなん？」

「何が？」

廉「誕生日…」

「えっ…」

びっくりした

廉に誕生日聞かれるって思ってなかったから

「2月14日」

廉「えっ、まじ？」

「うん。嘘つかないよ」

絶対笑われるって思ってたから

言いたくなかったんだけどな

廉「バレンタインが誕生日ってやつ初めて会ったわ」

「どうせ似合わないとか思ってるんでしょ？」

廉「そんなことないんやない？Aちゃん意外と乙女やもんな～」

思ってた反応とは違ったけど

これはこれでムカつく

「さっきガキ扱いしたから仕返し？」

廉「ふふっ、ていうか俺の方が誕生日早いんやから今だけ年上やな」

「いや1ヶ月もないじゃん」

本当にそういう考えが子供っぽい

そんな一面も悪くないな

そういえば今日廉に抱きしめられたんだよね

あの瞬間だけ

いつもとは違う空気感だった

今とは違いすぎて

夢だったんじゃないのかって思う

廉は私の事どう思ってるんだろう

私の気持ちはずっと確かにあるのに

廉の気持ちが分からないから

難しいなって思う

この気持ちを伝えてしまったら

今の生活や関係性は変わってしまうのかな

廉とこうやって話せなくなるのは嫌だ

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