はんぶんこ (ページ22)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:70,392 hit

22 ページ22

.

「ただいま！」

廉「えっ、おかえり」

息切らしながら帰ってきた私を

廉は不思議そうな顔で見た

「廉！」

廉「なんやねん。いきなり大きい声出すなや」

なんか緊張して

いつも通りみたいに話せない

でもちゃんと言わなきゃ

「遅くなってごめん…誕生日おめでとう」

廉「えっ…」

「これコンビニだけどケーキ買ってきた」

固まって何も言わない廉

やっぱりコンビニのケーキじゃ嫌だよね…

「ごめんね、こんなので。もっとちゃんとっ…」

言い終わる前に何か大きなものに包まれた

何が起きたのか分からなかったけど

それが廉だって気づいた瞬間

自分でも分かるくらい鼓動が早くなった

「れん…」

廉「もうちょっとだけ、このまま…」

廉に抱きしめられていることが

信じられなくて

廉の匂いや声

心臓の音がすごく心地よくて

落ち着いた

廉「いきなり、ごめん…」

そう言って廉は離れた

もうちょっとっていうか

いっその事ずっとこのままでもよかったのに

そんなことを思ってるのは

私だけだよね…

廉「こうやって祝われるの初めてでなんかよう分からん気持ちになって…」

そっか…

廉はずっと1人だったんだ

「じゃあこれからは私が祝ってあげるよ」

廉「なんやねんその上から目線」

「ふふっ、ほらケーキ食べよ」

買ってきたケーキを2人で食べながら

たわいもない話して笑いあって

こういうのを幸せっていうのかな

.