はんぶんこ (ページ15)

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廉が看病してくれたおかげで

次の日にはすっかり良くなった

廉「もうええの？」

「うん、ありがとね」

廉「んー。じゃあ、先行くわ」

そう言って学校に行った

ちゃんとお礼しなきゃな

でも何がいいんだろう

廉が喜ぶものってなんだろう

そう考えたら私って廉のこと何も知らない

一緒に住んでるってだけで

知ってる気になってた

何が好きで何が嫌いで

得意なこと苦手なこと

どんな風に生きてきたのか

なんで一人暮らししてたのか

廉に聞きたいことは山ほどあった

きっとこれは自分の気持ちに気づいたから

廉のことを知りたい

廉を笑顔にしたい

喜ばせたい

「廉って何が好きなの？」

学校から帰って聞いてみた

廉「白米、サッカー、ゲーム」

「そうなんだ」

廉「聞いといてそれだけ？」

「いや、看病してくれたからお礼しようかなって思って」

そう言うと廉はすぐスマホを出して

廉「これ！このゲーム欲しいねん」

と目を輝かせながら見せてきた

「えっ、高っ！」

値段を見ると想像してたよりも高かった

廉「お礼してくれるんやろ？」

なんて悪い顔して言ってくる

「お礼するとは言ったけどこんな高いの無理！」

廉「なんやねん」

「このゲームは無理だけどお礼はちゃんと考えるから」

廉「まぁ、期待せずに待っとくわ」

さすがにあんな高いゲームは無理

あとはサッカーと白米か…

サッカーはよく分からないから

必然的に白米だよね

「あっ、そうだ」

ゲームよりは安っぽいかもしれないけど

私にしかできないこと

思いついた私はすぐに家を出た

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