はんぶんこ (ページ11)

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夏休みに入って

必然的に廉と過ごす時間が多くなった

2人ともバイトがない日は

一日中一緒にいることが多かった

廉「はぁー、暇や」

「暇だね」

廉「夏休みやっていうのにバイトしか予定ないってどういうこと？」

「いや、私に聞かれても」

ソファに座ってグダグダ言ってる

学校であんなにモテるから

てっきり遊んでるのかと思ってたけど

そんなこともないのかな

廉「なぁ、今日休みやったよな？」

「うん、休みだけど」

廉「俺の夏の思い出作りに付き合え」

「はぁ？」

廉は「10分で準備しろよ」と言って自分の部屋に入っていった

なんで命令口調なの？

女子に10分で準備しろとか鬼だ

出来るだけ急いで準備したけど

廉は先に出来てたみたいで待っていた

廉「遅いわ」

「うるさい。だいたい女子に10分で準備しろとか無理あるから」

廉「えっ、お前女子やったん？」

「もう！最低！」

私が廉の思い出作りに付き合ってあげるのに

なんでこんなに言われなきゃいけないの

廉「ごめんごめん、そんな怒るなや」

と言って頭を撫でて「ほら、行くで」と

私の手を掴む

外に出ると手を離されて

廉の隣を歩く

「ねぇ、何するの？」

廉「お楽しみや」

電車に乗ってだいぶ遠くまで来た

こんなところまで来たことない

何回聞いても廉はどこに行くか答えてくれなかった

廉「次降りるから」

「分かった」

電車を降りて廉について行く

するとだんだん周りに人が増えて

浴衣を着てる人もいる

「廉、もしかして…」

廉「ふふっ、やっと気づいた？」

賑やかな声が近づくにつれ

花火大会と書かれたのぼりが見えてきた

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