【gnsn】気弱なメイドちゃん！ (ページ4)

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｢いや。少し彼女と話をしていただけだ。｣

｢そうですか。…この子は本当によく頑張ってくれているのですが、自分の意見を全く言わないので、私達も少し対応に困る事があるんですよ。｣

ははは、と笑いながらそう話すエルザーさんは悪気があって言っているのでは無いし、そもそも事実を述べた迄である。

けれどどこかチクリと胸に刺さるものがあって。

｢そうなのか？｣

どうしてディルック様はわざわざ私に確認なんて取るのだろう。

そう心の中で首を傾げながら口を開く。

｢…困らせてしまっているのは事実ですし…エルザーさんがそう言うなら…そうだと思います…。｣

ディルック様の顔を直視出来ず、自然とまた俯いてしまう私に、エルザーさんは明るい声でフォローしてくれた。

｢いやしかしこれも彼女のいい所だとは思うのですけどね！｣

＂いい所＂

そう言われても喜ぶ気にはなれず、胸にどんよりとした雲が差し掛かった時。

｢自分の意見を全く言わないんじゃなくて、言えないんだろう。エルザー、君が考えている程彼女は____…｣

雲を晴らすように、熱く熱く熱が注がれたような気持ちに陥る。それは炎のように私の胸の中に燃え広がっていく。

｢弱くはない。ただ勇気が、まだ持てていないだけだ。｣

まるで止まることを知らないように。

｢焦らなくていい。君なりのペースで進んでいけば自ずと見えてくるだろう。｣

先程まで怖かったその赤い瞳が、今は温かく見えて。

どうして怖いと思ったのか。

それはその情熱に燃える炎のような瞳からただ逃げたかったからかもしれない。