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ar side .
ふと、家を出て行く前の慧の言葉を思い出す。
"大貴のバカッ…!"
「…ほんと…バカだな、俺」
視界の端に、今日慧が着ていたコートが見えた。
…あいつ、この真冬に上着も着ずに出て行ったのかよ…
「っ…くそっ…」
慧のコートを持って、外へ飛び出した。
. . .
「慧っ…!!」
「!?…大貴っ…」
やっと見つけた、肩を丸めてゆっくりと歩く後ろ姿。
咄嗟に掴んだ腕は酷く冷えて震えていた。
コートを肩にかけ、そのまま慧を抱き締める。
途端に聞こえる泣き声に、胸が酷く痛んだ。
…もう、泣かせないって決めたのに…
「…寒かったよな…ごめん、」
「だいきぃっ…」
「…それと……ごめん、忘れてて。
…明日、俺らが付き合って1年の記念日なんだろ」
慧が、"明日だけは2人一緒に休みたい"と言っていた理由がやっと分かった。
記念日に一緒に過ごしたいなんて、ほんと…お前らしいな。
「!…おぼ、えてっ……ぅ、うう〜…」
「…ごめんって」
「だっ、て…忘れちゃって、るかとっ…もぅっ…き、嫌われたかと、おもっ、てぇ…」
「…バカだな、」
「ふぇぇ…?」
…いつも素直になれない俺が嫌われるならともかく、
俺がお前を嫌うことなんて、あるはずないだろ?
「…帰ろ。そんで、
……今日は、朝まで一緒にいるんだろ?」
「…!!うんっ…!」
外でベタベタするのは苦手だけど、今日は俺の腕にしがみつく慧を受け入れ、家までそのまま一緒に帰った。
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にゃるる - 返信ありがとうございます泣泣 新垢待ってますっ!!!またむにこめさんのお話が読める日を楽しみにしております(≧∀≦) (1月13日 23時) (レス) id: 9df1e97525 (このIDを非表示/違反報告)
むにこめ(プロフ) - にゃるるさん» お話気に入っていただいて嬉しいです、ありがとうございます…!アカウント突然消してしまい申し訳ありません。移行先はまだ作っていないので、出来次第お知らせさせていただきますね。ar王子とinも少し加筆修正して載せる予定ですので、もう暫くお待ちくださいm(_ _)m (1月9日 17時) (レス) id: 467faef54a (このIDを非表示/違反報告)
にゃるる - むにこめさんのarin作品大好きです泣 話は変わって申し訳ないのですがTwitterのアカウントが消えてしまったみたいなのですが、移行先のアカウントを教えていただくことは可能ですか?泣 Twitterの方で読んでいた王子arとinのお話もまた読みたくて... (1月3日 2時) (レス) id: 9985c4f555 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにこめ | 作成日時:2023年3月19日 15時