Bouquet. ( ar×in shortstory )

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in side .



本日は、お二人の婚約発表パーティー。

大貴様はいつも以上に格好良いお姿をされている。
俺はドレスコードのお手伝いをするため、今は部屋で二人きり。


｢慧、どうかな！似合ってる？かっこいい？｣


｢ええ…とてもお似合いですよ、大貴様。｣


｢へへっ…ありがと！慧のおかけで自信がついたよ！｣


どんどん成長する大貴様を、隣で見届けられることが嬉しくて、誇らしくて……切なくて仕方なかった。



…大貴様


幼い頃交わした、お約束を覚えていますか？


…お約束、守れなくてごめんなさい。


今日が終われば、貴方と私の関係は途切れる。


貴方は、もう私がいなくても大丈夫。


私はもう、大貴様のお傍には居られませんが…




.......私は、ずっと貴方の味方です______ 。




｢…だい、き、様…｣


｢んー？｣


｢おめでとうございます。


……どうか、幸せになってください。｣



…ああ…俺は、ちゃんと笑えているのだろうか。


少しでも気を抜いたら涙腺が緩んで、取り返しのつかないことになる。


…どうか、どうか今日だけは、


貴方様の前でだけは、情けない姿なんて見せたくない。


…これ以上、大貴様の顔を見ていたら泣いてしまう。

小さく鼻をすすり、パッと視線を逸らした。



｢…慧、こっち見て。｣


｢…？どうされたのですか？大貴さ…っ…！！｣


大貴様の両手で、頬を掴まれ引き寄せられる。


…こんなに至近距離で、大貴様と目を合わせるのは何時ぶりだろう…


…そんなに真っ直ぐな目で見ないで欲しい。

よこしまな感情を持つ、醜くて汚い俺のこと…


大貴様の綺麗な心まで、汚れてしまう。



｢…慧、なんで…


…なんで、泣いてるの…？｣


｢っ！！？…申し訳ございませんっ…！お見苦しいところをっ…｣


…俺の、馬鹿野郎…！

泣かないと決めていたのに、それは止まることを知らない。
大貴様の手が、俺の涙でじわじわと濡れてゆく。


｢っ…はな、して…くださいっ…きたな…｣


｢…汚く、なんか…


見苦しくなんかないよっ…！｣


｢…？あの、…っ、！！｣



…次の瞬間、


更に顔を引き寄せられ、大貴様からキスをされた。




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