隠の桐島さん【鬼滅の刃】

これが俗に言う珍百景？ ページ23

その日は隠の仕事が忙しくて蝶屋敷に行くのがいつもより少し遅かった
辺りは闇に染まりシンと静まり返っていた


炭治郎くん達が眠る病室に行くまでは...




『こん...ばんわ？』




「やぁああああ！」




「ぎゃー！？」




病室の扉を開けた先に待っていたのは
寝台に横たわる炭治郎を一斉にバッシバシと
布団叩きで叩くなほちゃん達の姿だった

あまりの光景に言葉を失った


すると病室の前で突っ立っている私に気づいたのか
炭治郎くんは何時もと変わらぬ明るい表情でニコリと笑う


だが、しかし！！この状況を笑顔で流せるほど
その時の私に余裕はなかった




『...え、何？炭治郎君ってば鍛錬のしすぎで遂に壊れた？』



「へ！？いや、いつも通りの平常運転ですが！！」



『...朝の...幻覚か？』



いくら目を擦っても一向に変わることのない景色
まさか壊れたのは炭治郎くんではなく私の方だったのか？


一体これは...




『えっと...その...炭治郎君達は一体何をしているの？』




「これは全集中の呼吸を四六時中出来るようにするための訓練で、
俺が眠っている間呼吸が乱れた時に直せるように
なほちゃん達に協力してもらってるんです！




『全集中...あぁなるほど！そういう事か』




炭治郎からそう聞くと今の状況がストンと腑に落ちた

つまりは寝ている間でも全集中の呼吸を使えるように
普通の呼吸に戻った瞬間起こしてもらえるようにしてるのね！！


あぁ...良かった
変な趣向に目覚めたとかじゃなくてッ！


もしそんな事になったら
私...胡蝶様に顔向けできなくなる所だった


万が一そんな事になったとしたら
その時は、私がッ...私が何とかせねば


炭治郎くんに限ってそんな事ないと思うけど！！
絶対に絶対にないと思うけどね！！

元気が一番？→←最近は瓢箪を破裂させるのが流行っているらしい

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