＿＿＿＿２４ ページ25
You side.
事を終えた彼は、スッと立ち上がり仕事着に着替え始めた。
亮「ねぇ、A。」
「ん？」
亮「携帯貸して。」
「携帯？」
私は言われたとおりにスマホを差し出した。
手慣れたように何かをしている彼。
亮「はい、出来た。」
「何したの？」
亮「GPS入れたの。Aがどこにいるのか分かってた方がいいからさ。それがついてれば、もしまた元カレくんに狙われてもすぐに駆け付けてあげられるでしょ？」
GPSなんて初めてだった。
でも、彼がそこまで私のことを心配してくれてるんだという事実が目に見えることが嬉しかった。
私が大きく頷くと、彼は愛おしそうに私の頭を撫でた。
亮「それからね、僕と付き合う上で約束してほしいことがあるんだけど、」
「何？」
亮「まず、今の仕事は辞めること。本当ならどこにも行かないでほしいけど、どうしても仕事がしたいって言うなら女の人しかいない職場にしてね。」
「うん。」
亮「それから買い物に行った時は、必ず女の店員さんだけにしてね。お会計も、何か聞く時も。」
「分かった。」
亮「それから、浮気は絶対にダメ。勿論、それは絶対条件。浮気したら殺すから。」
彼は至って真剣な表情だった。
きっと過去に彼女に酷いフラれ方をされたことが原因で、傷付くことを恐れているのだろう。
「亮平くん、」
私は彼をふわりと抱きしめた。
「私は亮平くんのことが好き。だからそんなに不安そうな顔しないで。私はどこにも行かないよ。」
亮「ごめんね、こんなに縛り付けて。
ただAのことが好きなだけなんだ。
....不安、でさ。また愛した人がいなくなっちゃうんじゃないかって、」
「ううん、大丈夫。分かってるよ。」
彼の気持ちは痛いほど分かる。
好きな人に蔑ろにされることがどれだけ辛いことなのか、私も経験してきたから。
貴方が傷付くようなことはしない。
それだけは、誓える。
だから私のことも、離さないでね。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cleam(プロフ) - ゆんりかさん» お返事が遅くなり申し訳ないです....！ありがとうございます（ ; ; ）ちょっと怖いお話（？）だったのでそう言っていただけて嬉しいです（ ; ; ） (2021年5月4日 19時) (
レス) id: c295088e12 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんりか(プロフ) - コメント失礼します 読んでいるうちにどんどん引き込まれました♪ 最高です (2021年5月1日 14時) (レス) id: d4900d386d (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - menoさん» コメントありがとうございます！担当様でしたか( °o°)内容が強すぎたら申し訳ないです....いつかあべくんには狂ったキャラを、と思っていたのでそこを楽しんでもらえたなら幸いです。いつか役回りでサイコパスなあべくんも見てみたいですね＾＾ (2021年2月15日 23時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
meno(プロフ) - 軽い気持ちで読んでたら、え、？とかは、？とかもう内容に引っ張られちゃって、もうとにかく凄いなって思いました!!!フィクションだからこそ自担の妄想黒場面がみられたのが幸せでした(あ、阿部ちゃん…あなたそんな…え…とちょっと放心状態になったのは内緒) (2021年2月15日 10時) (レス) id: a41f81c6b1 (このIDを非表示/違反報告)
cleam(プロフ) - Asahiさん» お返事遅くなりまして申し訳ありません！一応こちらはあべくんのお話なのでこのエンドが正規ルートです。ですがもしわたなべくんオチを、とのことでしたら書かせていただきます＾＾ただちょっと時間が掛かってしまうかもしれないので、それでも良ければなんですけど.... (2021年2月15日 0時) (レス) id: d9a9e1fa04 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cleam
| 作成日時：2021年1月26日 21時
