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学食は、学生会館と呼ばれる生協の建物の中にあった。
「ガクショク」が学生食堂のことだ、くらいは初めて聞いてもわかったが、「パンキョー」が一般教養科目のことだとかいうのを理解するのには、しばらくかかった。
どこにでも言えることだとは思うけど、ここにはここの言葉があるのだ。
自動ドアをくぐって、購買を通り過ぎる。
今日の日替わり定食は、油淋鶏だ。
揚げた鶏肉に、刻んだ長ネギと醤油ベースのタレをかけたものだ。
タレとご飯の相性が抜群で、揚げ物を作らない一人暮らしに嬉しい定食だ。
「A、なに食べんの？」
好きな物を取って、その合計金額を払う形式で、うらたさんがトレーを持って聞いてきた。
「日替わり定食にしようかと思って」
「今日の定食なんだっけ？」
「油淋鶏です」
「あー、わかる。油淋鶏の時だけは俺も定食だわ」
2人で同じメニューとって、レジに向かう。
違うのはご飯の量だけだ。
私とうらたさんの身長は、大きい声では言えないが、あまり変わらない。
これを言うと、うらたさんにどやされるからだ。
なのに、ご飯の量がうらたさんのほうが多いのは、やはり男の人だからなのだろう。
やはり、学食はがらがらにすいている。
うらたさんは、隣のイスにビニール傘を投げ出して、どかっと腰をおろした。
私もそれに倣うように、向かいの席に座る。
「そういやあさあ、」
と思い出したように言いながら、うらたさんが割り箸をパシッと割った。
「お前さ、彼氏とかいねーの？」
急にそんなことを聞かれて、思わずお味噌汁を吹き出しそうになった。
げほげほ、とむせていると、うらたさんが「きたねーよ」と笑った。
誰のせいだと思っているんだと、むせながら睨みあげると
「おーこわ」
とにやにやとした返事が返ってくる。
いま彼氏がいないならなんだっていうんだ。
「いませんけど？」
ようやく落ち着いた呼吸でぶっきらぼうに答えると、うらたさんは自分で聞いたくせに、ふーんと興味なさそうな反応をした。
「興味ないなら聞かないでくださいよ」
「いや、そういうわけじゃねーけど」
わけが分からない。
どうしてうらたさんが私の彼氏の有無など気にするのか。
あ、もしかしたら、私に彼氏がいたら気を使わなきゃとか思ってるのか。
「ま、いないならいいや」
前言撤回。この人はそんなことを気にするような人じゃない。
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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
