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「あー、もう……」
俺はAちゃんの首筋に額を押しあてた。
これ以上、彼女を見つめていたら、本当にキスしてしまいそうだった。
だめだ。それだけは、だめだ。
彼女を傷つけるようなことは、したくない。
「……さ、坂田くん？」
上からか細い声が降ってくる。
俺は無言でAちゃんを横から抱きしめた。
「Aちゃん、好き。だいすき」
ね、聞こえる？
俺、こんなにドキドキしとるんよ。
「……うらさんのとこになんか行かないで」
お願いだから、俺のとこに戻ってきて。
他の人の所になんて、行かないで。
こぼれ落ちた本音は、俺が思っていた以上に頼りなげで、震えていた。
頑張るって、振り向かせてみせるって言ったのに、なんて情けないんだろう。
ほんとはキスしたいし、それ以上のことだってしたい。
できる状況なのに。そうしなかった。
できなかった。
ピンポーン、と急に来客を知らせるチャイムがなった。
その音に2人でびくりと悪いことが見つかった時みたいに肩を震わせて、俺は慌ててAちゃんから離れた。
「う、うらたさんかな！見てくるね！」
「あ、うん。わかった」
Aちゃんはバタバタと逃げるように玄関に走っていった。
ガチャりと扉の開く音がして、うらさんとAちゃんの話す声が聞こえてくる。
「A、なんか顔赤くね？」
「さ、さっきまでカレー作ってたからです！火を使ったから暑くて！」
「お、おう…？」
俺はうらさんが来たことに心底ほっとした。
さっきまでの空気を切り替えるように、ふぅーっと長く息を吐いて、立ち上がる。
「うらさーん、バイトおつかれー」
そう言って俺もうらさんに声をかけると、うらさんは「おう」と言って笑った。
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りひと(プロフ) - たまさん» たま様/コメントありがとうございます！またコメントをいただけて嬉しいです！続編のほうも、引き続きよろしくお願いいたします！ (2019年12月24日 11時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
たま(プロフ) - こんにちは！グッドイブニング･トウキョウから引き続きずっと読んでいます。坂田さんsideも入れて頂きありがとうございました。これからの逆襲編も楽しみですし、また坂田さんとくっつくのも楽しみにしております。これからも応援しております。 (2019年12月24日 11時) (レス) id: a928baf79e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - shioriさん» shiori様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後も楽しんで読んでいただけるよう努めて参りますので、応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月22日 3時) (レス) id: 643f7a330d (このIDを非表示/違反報告)
shiori(プロフ) - 初コメ失礼します！浦田さんのキャラめちゃくちゃいいですね！元々惚れてますけど余計に惚れますね！応援してます！更新頑張ってください！ (2019年12月22日 1時) (レス) id: f06d85eb8e (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ゆずの実さん» ゆずの実様/コメントありがとうございます！どんどん更新して参りますので、今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！ (2019年12月21日 13時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月13日 23時
