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「あ、おった!」
聞き覚えのある声に振り向くと、坂田くんと早坂さんが立っていた。
「おー、すまんすまん」
センラくんが手をあげて彼らに反応する。
坂田くんと早坂さんがこちらに歩いてきて、ようゆく表情が見えてくる。
坂田くんははしゃぎすぎたのか、ちょっと疲れたような顔をしていた。
「アトラクションにはよう乗れたん？」
センラくんがこちらに向かってくる坂田くんたちに聞く。
「うん!たくさん乗れたよ！楽しかったね、坂田くん」
「あ、あぁ。そうやね」
早坂さんが満面の笑みで坂田くんに聞くも、坂田くんの反応はちょっと薄い。
なにか考え事でもしているのだろうか。
「そっちは、どうだったん？」
話を切り替えるように坂田くんが聞く。
「俺ら？俺らはめっちゃ楽しんだもんなー？」
「ね、Aちゃん」と言ってセンラくんがこちらに顔を向ける。
「そうだね。楽しかった」
先ほどミニゲームで取った戦利品のぬいぐるみを見せて私もセンラくんに言う。
「ちょっと、センラ」
坂田くんが急にセンラくんの腕を引っ掴んで
「すぐ戻るから待っとって!」
「は？ちょ、坂田!？」
戸惑うセンラくんを引きずるようにしてどこかへ言ってしまった。
坂田くんはちょっと焦ったような、そんな緊迫感のある声でいうので、私はびっくりしてしまった。
坂田くんたちの姿が見えなくなると、早坂さんと2人きりだ。
何となく居心地の悪さを感じる中、先に話しかけてきたのは早坂さんだった。
「今日、もともと坂田くんと2人で来る予定だったんだよね？坂田くんに聞いたわ」
「……う、うん」
早坂さんの機嫌が悪い。
「私が坂田くんのこと好きだって分かってて黙ってたわけ？自分のほうが好かれてるって思って、ずっと見下してたの？」
詰問するように、早坂さんは私にぐっと詰め寄った。
「ち、ちが……そんなことないよ」
「ほんと、ムカつく」
早坂さんは苦虫を噛み潰したように顔を顰めた。
「……まあ、いいわ。ほぼ１日中坂田くんと2人きりになれたわけだし。私、このあと坂田くんに告白するから、邪魔しないでよね？」
「………うん、わかった」
私が頷くと、早坂さんの後ろの方から、坂田くんたちが戻ってきた。
「何の話しとったん？」
センラくんが合流していう。
「楽しかったねって話してたの！ね、Aさん」
「うん」
「ふーん、そか」
センラくんはそれを聞いて、ちょっと訝しげな顔をした。
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年11月12日 17時
