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お昼を食べてから、私とセンラくんは純粋に遊ぶことを楽しんだ。
行きたかったアトラクションも、いいなと思ってたぬいぐるみも買えた。
付き合ってくれたセンラくんにお礼を言うと、別にいいのに、とまた笑われた。
「センラくんは乗りたいアトラクションとかないの？」
「ん〜そうやなあ。あ、あれ乗りたい」
そう言って指さしたのは海賊モチーフのアトラクションだった。
たしか、坂田くんも好きだって言ってたなあと思いながら、
「近くにあったからとかじゃないよね？」
とセンラくんに言う。
「ちゃうって。ほんと。男ならみんな好きなんとちゃう？」
センラくんはへらりと笑ってそちらに足を向ける。
待ち時間は20分だった。
今日の混雑を考えると短いほうだ。
中は水が近いからかひんやりとしていて、ちょっと気持ちいい。
センラくんといるのは、楽だった。
坂田くんと一緒にいるときの、穏やかな気持ちとはまた違う。
気配りが上手で、話もうまい。
程よい距離感を保てる相手だからこそ、楽だと感じるのかもしれない。
「あ、あれ坂田たちとちゃう？」
「え、どれ？」
「ほら、あそこ」
センラくんが指さした先には、赤い頭が見え隠れしていた。
背の高い彼から見たら、ちゃんと顔まで見えているのかもしれない。
「坂田くんの頭だけ見えたかも」
「……早坂さん、坂田にべったりやで」
うわぁー、という顔をして、センラくんは顔をしかめた。
「早坂さんと坂田くんって付き合ってるの？」
「いや、それはないと思うわ」
センラくんはありえないとでも言うように言った。
「そうなの？最近、学校でもよく2人をみかけるから、そうなのかと思った」
「あれは早坂さんが坂田んとこに来とるだけやって。坂田もなんでやーって言っとったで」
センラくんが坂田くんのモノマネをする。
それがちょっと似ていて、おもしろい。
ふふ、と思わず笑いをこぼすと、
「なんや、Aちゃんもちゃんと笑えるやん」
とセンラくんはちょっと驚いたような顔をした。
「どういうこと？」
「なんか、ずっと作り笑いっぽかったから。でも、いまはちゃんと素で笑ってくれた気がした」
「変なの」
そう言いながら、そっぽを向いて、私は思った坂田くんとはじめて2人で出かけたときのことを思い出した。
あの時も、そんなことを言われた気がする。
『仲良くなれたみたいで嬉しい』
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年11月12日 17時
