グットイブニング・トウキョウ【あほの坂田】 (ページ31)

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in my life ページ31

家に帰った私は、ベットに腰掛けて、明日のことをぼんやりと考えていた。

坂田くんは、明日は早坂さんと坂田くんの友達と、4人でと言っていた。

もしかしたら、坂田くんは早坂さんと付き合うことになったのかもしれない。

私が先約だったから、断るのもはばかられたので、4人でという形をとったと思えば、それは自然だ。

それにしても、坂田くんも早坂さんと付き合うことなったのなら、言ってくれればいいのに。

その一言さえ言ってくれれば、私だってあきらめがつくのに。

「………え」

思わず私は片手で口を覆った。

認めたくなかった。

認めてしまったら最後、熱が冷めるまで待つしかないと知っているから。

恋には必ずきっかけがあるものと、もし決まっているなら、人生どんなにわかりやすいことだろう。

だが、人間の感情なんて、そう簡単にはいかないものだ。

少なくとも私の場合、これといったきっかけなんて、思い返してもどこにも見当たらなかった。

ただ一緒に日々を過ごして、同じことに笑ったりしているうちに、ゆっくりと、昨日よりは今日、今日よりは明日というように、毎日少しずつ気持ちがたしかになっていく。

きっと私のは、そんなふうな好きになり方だった。

でもきっと、坂田くんは早坂さんが好きなのだ。

2人は両思い。

私の入る隙なんかない。

自覚した瞬間に私の恋は終わってしまった。

「明日、いやだなあ」

まだ、明日の準備はなにひとつ終わっていなかった。