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次の日。
私は起きる予定でアラームをかけた時間よりもずっと早く目が覚めた。
暗いうちから起き出して、クローゼットの中から大して持ってもいない服を引っ張り出した。
なにを着ていけばいいんだろう？
それは、坂田くんがいるから可愛い格好をしていきたい、という訳では無い。
むしろ、坂田くんがいるから‘あたりさわりのない’格好をしなければと私は思っていた。
私が持っている服の中で、1番おしゃれをしていって「気合入ってるな」と思われるのも嫌だし、「ださい」と思われるのも嫌だった。
当たり障りのない、普通で平凡な服を着ていくのがいちばん平和なのだ。
もちろんだが化粧もしない。
早坂さんたちは学校に来る時も薄く化粧をしていて、休み時間になると化粧を直しにトイレに行ったりもする。
それをしない時間はSNSを見たり、新しいコスメを見せあったりと、クラスの流行の発信源はいつも彼女たちだった。
私やともちゃんは早坂さんたちの真似をして、パクられたとか、調子乗ってる、と思われるのが怖かったのだ。
私はようやく膝丈のベージュのスカートと白のフーディを取り出した。
時計を見ると、もう朝食の時間だ。
私はあわてて着替えると階段をおりて台所へ行く。
「おはよう、お母さん」
「あら、おはよう。土曜日なのに早起きね。今日は学校休みでしょ？」
「うん。でも、今日は図書館に行くから」
テストが近いの、と言うと、お母さんは頑張ってねえ、と呑気な返事をした。
トースターで六枚切りのパンを1枚セットして、既にはいっていた熱いコーヒーをマグカップの半分まで入れる。
そのあと、冷蔵庫から牛乳を取り出して、マグカップの残り半分の面積を埋める。
そうすると、暑くもなくぬるくもない、ちょうどいい温度のカフェラテが出来上がる。
これが私の朝のルーティーンだ。
テーブルにマーマレードを準備して、カフェラテをすすりながらテレビをぼーっとみていると、トーストができ上がる。
マーマーレードをたっぷり塗って、それにかじりつきながら、私は今日の予定を改めて復讐する。
朝のニュースは昨日話題になったニュースを報道していた。コメンテーターが主観を交えながら話している。
「ごちそうさま」
「気をつけて行ってきなさいね」
「はーい」
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年11月12日 17時
