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うらたたちは、その足ですぐに宿をめざした。
Aのことは一刻を争う。すぐにでもゴーストシップに連れて行ってやりたい。
「なあ、うらたさんたちは4人やろ？もう1人は、噂の禁忌の子？」
luzの問いかけに、うらたはもうこんな所にまで情報が出回っているのかと焦りを覚えた。Aが禁忌の子だと知れれば、多方面から狙われることは間違いないからだ。
「……………そうだ」
うらたはため息混じりに、しぶしぶ頷いた。その様子を見て、luzは上機嫌ににっこりと笑みを深める。先程の怪我はすっかり回復したらしい。血の跡はあるが、傷口は塞がっている。
「やっぱり。ここらでもその噂で持ち切りやもん。で、ゴーストシップに行きたいのはなんで？」
「…………見りゃわかる。ここだ」
表通りから一本入ったところにある小さな宿屋に戻ると、うらたは階段で２階に上がっていちばん奥の部屋にluzを招いた。
「いま戻った」
「うらたさん、おかえり………って、そいつは？」
坂田とセンラは眠っていたらしい。起きていた志麻が振り向き、luzを見て警戒心をむき出しにした。
「こいつ、luz。ゴーストシップに住んでる魔法使い。俺の知り合い」
「どーも。luzやけど」
luzが人のいい笑顔で挨拶をすると、志麻はなにかを察したようにうらたの顔を見た。どうやら、うらたの考えていることに気がついたらしい。
「ゴーストシップって………」
「そ。こいつの魔法で全員ゴーストシップに飛ばしてもらう」
「坂田とセンラ、起こして」と言うと、志麻は顔を輝かせて頷いた。Aを助けられるということにほっとし、うらたはどっと疲れが押し寄せてくるのを感じた。
けれど、こんな所で倒れているわけにはいかない。俺はリーダーなのだから。せめて、ゴーストシップに着くまでは、Aが治るまでは、ちゃんとしてなきゃ。じゃなきゃ、リーダーなんて言えない。
「おい、坂田、起きろ！」
「ん〜？……あと、ごふん…………」
坂田も疲れているのだろう。A関連ならすぐに起きる坂田が、いつも通りの寝ぼけ声でそういった。うらたはため息をつくと、さっきよりも大きい声で、
「Aを治すぞ！」
と言う。すると、
「えっ！！A！？」
と坂田は飛び起きた。ぱっちりと目が開かれ、覚醒している。それからあたりをキョロキョロ見回して、見慣れない男をとらえた。
「あんた、だれ？」
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りひと(プロフ) - 凍華＠ラさん» コメントありがとうございます。みなさまの応援のおかげで、ありがたいことにランキングに載ることができました。今後ともお楽しみいただけるよう更新してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。 (2020年5月29日 19時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
凍華＠ラ(プロフ) - よくランキングに載っている作品だったので、少し気になって読ませていただきました。本当に面白くて、一気読みしてしまいました。続きが楽しみです。無理のない範囲での更新、頑張ってください！ (2020年5月29日 12時) (レス) id: 960374666f (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - over the rainさん» コメントありがとうございます。お楽しみいただけたこと嬉しく思います。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。 (2020年5月26日 22時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 続編おめでとうございます。題名に惹かれ読み始めてこらあっという間に3作品目でびっくりです。応援してます。 (2020年5月26日 6時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - ありまさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しく思います。今後とも、何卒よろしくお願いいたします。 (2020年5月25日 18時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2020年5月24日 23時
