グットモーニング・トウキョウ【センラ】 (ページ9)

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ああ、なんて胸くそ悪い。

Aは闇の中に目を覚ました。
パソコン画面はスリープモードに入っており、画面は真っ暗だ。
凶夢の名残りが、ど、ど、ど……と脈打つ心臓に残っていた。

夜通しゲームは無駄な抵抗だった。
3時を回ったところで眠気がピークを迎え、少しだけ、と布団に潜ったがそこから記憶が途切れている。
電気を無意識のうちに消していたことだけは自分を褒めたい。

もう外はうっすらと白んでおり、もうすぐ夜明けであることを知らせている。
雨はすっかり止んでいるようだった。

休みの日はいつも9時頃まで寝ているのだが、今日は二度寝する気分でもない。

スマートフォンのロックを解除すると、時計は6時を示していた。
仕事に行く時よりも早く起きてしまった、と思いつつ、ぼんやりとした思考の中で溜まっていたLINEに返信をしていく。

布団の中が温くて、なかなか出られそうにない。
このまどろみのような心地良さは、いつまででもこのままでいたいような、そんな気持ちにさせてくる。

ようやくAはのろのろと布団から這い出ると、冬の冷気にぶるりと震えた。急いでカーディガンを羽織り、ヒーターのスイッチを押す。

靴下を履き、次はコーヒーメーカーのスイッチだ。
テレビをつけると、ニュースキャスターのお姉さんが、海鮮丼を美味しそうに食べていた。

それを見て、Aのお腹がきゅう、となった。
何かあったっけ、と冷蔵庫を開けるも中身は物の見事に空っぽたった。

昨日買ったレモンサワーだけが申し訳程度に2本カランと音を立てた。

「買い物、行かなきゃなぁ」

そういえば、ティッシュもなくなりそうだったし、ストックしていたカップラーメンもなくなっていたと頭の中で買い物リストを増やしていく。

これは車で出かけないとなぁと今日の予定を組み立てていると、コーヒーメーカーが鳴った。
どうやらコーヒーがはいったらしい

いつものマグカップにたっぷりといれて、テレビ前のソファに腰掛ける。

テレビは天気予報に切り替わっていた。