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「坂田くん？」
坂田くんは、額を私の肩口に埋めたままだ。
「ねえ、」
「ほんまに、好き」
坂田くんはさらに強く私を抱きすくめる。
「……ん」
私たちは、何度となくキスを繰り返した。
そのたびに、坂田くんがひそやかに熱い吐息をもらす。
パズルのピースがぴったりハマったみたいな、そんな感じがする。
今までで一番長いキスのあとで、やっと唇をはなすと、私たちは二人とも、走ったあとより激しく息を乱していた。
坂田くんの頬は紅潮していて、紅玉の瞳には甘い色気が漂っている。
それが見えたのは一瞬で、次の瞬間には取り残された子供のようにぐずり出した。
「ああ、もう、どうしよ………離れたくない」
「さ、坂田くん？」
「なあ、俺って、Aちゃんの彼氏、やんな？」
確認するように、坂田くんがそう言った。
改めて言われると、なんだか気恥しい感じもする。
「うん」
「もう、我慢せんでもいい？」
「……うん？」
我慢って？
坂田くんは、これ以上なにを望んでいるんだろう？
もちろん、坂田くんが望むのであれば、してあげられることはしてあげたいと思う。
「………ここが、公園でよかったかもしれん」
坂田くんが、囁いた。
「どうして？」
「もしここが俺の部屋だったら、俺、このまま我慢できるか分からんもん」
私は、まじまじと坂田くんの顔を見つめた。
そうしてからようやく、坂田くんの言っている意味を理解して、ぼん、と火を噴くくらい顔が熱くなった。
「さ、かた、くん」
「……赤くなってる。かわいい」
そんなの、赤くならないほうがおかしい。
坂田くんは私の事なんかお構い無しに、私のほっぺたを包み込んだ。
「ね、もっかい、好きって言って？」
坂田くんのねだるような甘い声。
彼の瞳にはまた、さっきのとろけるような色気を宿していた。
「さかたくん、すき」
彼の声に誘われるがままに、そう言った。
「……もっと」
足りないとでも言うように、目を爛々と輝かせた。
私は坂田くんの目を見つめると、その頬に両手を添えた。
スッキリとした輪郭を包むと、坂田くんは一瞬身を固くしたが、すぐに力を抜いた。
「………すき」
囁くように口を動かした。
しばらくの沈黙のあと、
「も、あかん」
「………っん」
さっきまでとは違う、性急さを孕んだキスが降ってくる。
「Aちゃん、好き」
坂田くんは、たっぷりと熱の篭った声で、そう囁いた。
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りひと(プロフ) - みかんさん» みかん様/ コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年1月1日 10時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 完結おめでとうございます！りひとさんの作品大好きです。これからも応援しています、頑張ってください！ (2020年1月1日 9時) (レス) id: 6edfb9ce46 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - しぃさん» しぃ様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！またコメントお待ちしておりますね♪ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» まつり様/ありがとうございます！新年には新しい作品も投稿してまいりますので、今後ともよろしくお願いします♪またコメントお待ちしておりますね！ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きな作品なので2人分のルートを作ってくださり、とても嬉しかったです！他の作品の更新も楽しみにしています (2019年12月31日 19時) (レス) id: 42c92e6201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月24日 11時
