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「うらたさんも、餌あげませんか？」
私が半分ほどなくなった野菜スティックの紙コップを渡すと、
「あ、やりたい」
うらたさんはそこから1本取りだして、うさぎの前に差し出した。
「うお、食いつき方すげえ」
「いい食べっぷりですよねえ」
カリカリと瞬く間に野菜スティックはうさぎの中に消えていく。
「もっと食うか〜？」
うらたさんも楽しそうに笑っている。
こんなにも子供みたいに笑ううらたさんは初めて見る。
彼のミルクティブラウンの髪を、風がそっと撫でていった。
………かっこいいなあ。
楽しげに細められる翡翠の瞳も、頼もしい背中も、柔らかな声も。
不器用なところだって、分かってしまえば可愛らしいとすら思える。
野菜スティックの最後の1本をあげていたうらたさんが、ふと、こちらを見た。
「A、どうした？」
「いえ、うらたさんがこんなにはしゃいでるの、初めて見たなあって思って」
「お前だって、だいぶはしゃいでるじゃん」
「……よそ見してると、指かじられますよ」
さっきうらたさんに言われたことをそっくりそのまま返してやれば、「生意気」と返ってきた。
「よろしければ、だっこもしてみませんか？」
頭上から降ってきた声に顔を上げると、飼育員のお姉さんが笑顔でこちらを見つめていた。
「いいですか？A、させてもらえば？」
「だっこ、したいです！」
「はい。どうぞ、こことここ、持ってあげてくださいね」
飼育員さんに小さなうさぎを抱かせてもらう。
灰色の小さな生物は、鼻をヒクヒクさせながら、つぶらな瞳でこちらを見上げてきた。
「わ、かわいい」
「そうだな」
彼はそう言いながら、私の腕に収まっているうさぎの頭をゆっくりと撫でた。
うらたさんの翡翠の瞳は穏やかで、暖かなぬくもりに溢れていた。
5月の木漏れ日のような、みずみずしい新芽のようなその瞳には、どんなふうに映っているのだろう。
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りひと(プロフ) - みかんさん» みかん様/ コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年1月1日 10時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 完結おめでとうございます！りひとさんの作品大好きです。これからも応援しています、頑張ってください！ (2020年1月1日 9時) (レス) id: 6edfb9ce46 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - しぃさん» しぃ様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！またコメントお待ちしておりますね♪ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» まつり様/ありがとうございます！新年には新しい作品も投稿してまいりますので、今後ともよろしくお願いします♪またコメントお待ちしておりますね！ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きな作品なので2人分のルートを作ってくださり、とても嬉しかったです！他の作品の更新も楽しみにしています (2019年12月31日 19時) (レス) id: 42c92e6201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月24日 11時
