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夏の夜は長い、といっても、もう9月だ。
19時頃になると、外はもう暗くて、街灯と飾りでつけられている電飾が眩しく光っていた。
ジェットコースターに乗ったり、滝つぼに落ちたり、ジャングルを冒険したり。
私達は、文字通り"思いっきり"楽しんだ。
「楽しかったね」
「俺も！めっちゃ楽しかった！」
道端には人だかりが出来始めていた。
20時からショーが始まり、そのあとに花火が上がる。
「ショー見たら、帰るか」
「……うん」
あと1時間ちょっとで、坂田くんとのお出かけが終わる。
心臓の奥がちょっとだけ、きゅっとなる。
遠くから、軽快な音楽が聞こえてきた。
通りの向こう側から、トロッコが流れてくるのが小さく見える。
それは音ともに段々と近づき、大きくなってきた。
「……Aちゃん」
キャラクターの乗ったトロッコの先頭が私たちの目の前に差し掛かった時、坂田くんが小さく私の名を呼んだ。
「なに？」
隣を見上げると、坂田くんがこちらを見つめていた。
周りで歓声が上がる。
きっと、キャラクターがこちらを見て手を振っているのだろう。
「好き」
歓声も音楽も大音量のはずなのに、坂田くんの声だけがやけに響いて聞こえた。
トロッコの電飾の色が変わるのに合わせて、坂田くんの片頬が様々な色に変化していく。
「だいすき」
坂田くんの瞳が、夜の中で炎のように熱をおびている。
私を見つめる彼の瞳は真っ直ぐで、そらすことが出来ない。
「坂田くん、」
坂田くんの腕が伸びてきて、次の瞬間には彼の腕のなかにいた。
息が止まるほど、ぎゅっと抱きしめられて、坂田くんの想いが痛いくらいに伝わってくる。
「Aちゃん、好き」
泣き出しそうに切実な声。
遠い星の瞬きのような、寂しげに震える声。
坂田くんはうわ言のように「好き、だいすき」と繰り返して、私の首筋にぐりぐりと頭を押し付ける。
おずおずと坂田くんの背中に腕をまわすと、私を抱きしめる腕はさらに力を増した。
「俺のとこに、戻ってきて。うらさんのとこになんか、行かないで」
坂田くんの腕は、かすかに震えていた。
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りひと(プロフ) - みかんさん» みかん様/ コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです♪今後ともよろしくお願いいたします！ (2020年1月1日 10時) (
レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 完結おめでとうございます！りひとさんの作品大好きです。これからも応援しています、頑張ってください！ (2020年1月1日 9時) (レス) id: 6edfb9ce46 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - しぃさん» しぃ様/コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！今後とも応援のほどよろしくお願いいたします！またコメントお待ちしておりますね♪ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
りひと(プロフ) - まつりさん» まつり様/ありがとうございます！新年には新しい作品も投稿してまいりますので、今後ともよろしくお願いします♪またコメントお待ちしておりますね！ (2019年12月31日 20時) (レス) id: d056bbadb9 (このIDを非表示/違反報告)
しぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好きな作品なので2人分のルートを作ってくださり、とても嬉しかったです！他の作品の更新も楽しみにしています (2019年12月31日 19時) (レス) id: 42c92e6201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りひと
| 作成日時：2019年12月24日 11時
